
この記事をまとめると
■マレーシアが新車販売台数でインドネシアを上まわり東南アジア首位となった
■市場はプロドゥアとプロトンの自国ブランドが約6割のシェアを占める
■KLIMSでは高級車より国産ブランドの存在感が際立ち市場の変化を映していた
タイやインドネシアとは異なる市場構造をもつマレーシア
東南アジアにおいて自動車生産拠点並びに新車販売市場として、タイやインドネシアをすぐに思い浮かべるひとも多いことだろう。「東南アジアのデトロイト」などとも呼ばれるタイで生産された日系ブランドモデルが、日本で輸入販売されるということもそれほど珍しいことではなくなっている。インドネシアからもトヨタ・タウンエース&ダイハツ・グランマックスが日本でインドネシア製モデルが輸入販売されている。
新車販売の市場規模も両国は大きいのだが、2025暦年締め(2025年1月~12月)での年間新車販売台数で異変が起きた。約2.8億人の人口を抱えるインドネシアが東南アジアでの新車販売台数トップとなってきたのだが、そのインドネシアの年間新車販売台数(GAIKINDO[インドネシア自動車工業会]発表卸売り台数)80万3687台に対し、マレーシア(MAA[マレーシア自動車協会])による年間新車販売台数が82万752台となり、マレーシアが東南アジア最多の新車販売市場となったのである。統計方法に若干の違いがあるものの、いまでは「マレーシアが東南アジアナンバー1」とされるのが一般的となっている。
そのマレーシアで2024年に続き、2026年6月12日から21日の会期にて、首都クアラルンプールにてKLIMS(クアラルンプール国際モビリティショー)が開催された。「東南アジアナンバー1の新車販売市場」となったマレーシアの自動車ショーはなにか変化が起きているのか、期待に胸を膨らませて会場を訪れた。
会場を訪れると、そこにはメルセデス・ベンツやレクサスといった高級ブランドの展示ブースはなかった。日系ブランドもトヨタ、日産、ホンダ、マツダのみと、「あれっ」と思う光景が広がっていた。代わりに目立っていたのが、プロトン、プロドゥアというマレーシア自国ブランドブースであった。
JETRO(日本貿易振紀機構)がMAAの統計を基に作成したデータによると、2025暦年締めでのマレーシア国内でのブランド別年間販売台数ランキングではトッププロドゥア、2位プロトンとトップ2がマレーシアブランドとなり、両ブランドを合わせた販売シェアは6割を超えている。さらに3位はレクサスを含めたトヨタ(シェアは12.5%)、4位ホンダ(シェアは8.8%)、5位JAECOO(中国奇瑞汽車系ブランドでシェアは2.0%)が上位5ブランドとなっている。
つまり新車販売市場をけん引しているのはマレーシアブランドであり、上位5ブランドですでに国内シェアは82.5%になっている。つまりメルセデス・ベンツなどのドイツ系を代表する高級ブランド車のマレーシアにおけるターゲットカスタマーはかなり限定的であり、自動車ショーでブースを構えてまで販売促進を行うほどではないともいえるのである。
