
この記事をまとめると
■クルマにはかつて定番だったものの時代を追うごとに消えた装備がある
■多くの装備は需要の低下以外に安全上の問題で取りやめたパターンが多い
■一部メーカーでは機能を進化させて存続させている
いつの間にか消えた定番の装備たち
自動運転や電動化、クルマは年々進化している。すなわち、どんどん便利になっているはずだが、昭和からクルマ好きだったベテランドライバーにしてみると、「あの装備はどこへ行ったんだ」、「昔はシンプルで使いやすかった」と不満を覚えることもあるだろう。
たとえば後席のヘッドレスト。
追突されたときの乗員保護を考えると、必須といえる装備だが、後席ヘッドレストの重要性が認識されていなかった昭和のクルマでは装備されていることはまれだった。だから、ハッチバック車などで後席を折りたたんで格納するときは、ヘッドレストのことなど気にせずにパタンと倒すことができたものだ。頭の位置に合わせてスライドされたヘッドレストをもとに戻したり、車種によってはヘッドレストを外して後席を畳んだりしていると、ふと「昭和はよかった」と思ってしまうのではないだろうか。
ちなみに、現在でも商用バンの2列目シートにはヘッドレストが備わっていないことが多い。それは後席全体が補助席のような存在であり、基本的には格納状態で荷室を最大限に広く使うことを前提としているからだ。
シートでいえば対面レイアウトにできるタイプも絶滅危惧種だ。
かつてミニバンタイプのクルマでは多く見かけた回転するシートを標準装備しているクルマは、こと国産車においては特殊な福祉車両を除いて存在していない。キャンピングカー用シートなどには残っているので完全に法律で禁じられたわけではないが、昭和からのドライバーにしてみれば、まさしく「消えてしまった装備」となっている。
もっとも、コストがかかる割には使いどころが少ないことや、走行中に対面レイアウトにすることはシートベルト装着の義務化に伴い現実的ではなくなったことなどが、回転対面レイアウトのシートが消えた理由といえる。あったら便利に思えても、実際のユーザーニーズはそれほどでもなかったことは、ベテランドライバーであれば実感しているかもしれない。
