
この記事をまとめると
■マレーシアを走るクルマを定点観測
■自国のブランド車は税金をはじめ政府からの優遇策もありかなり売れている
■日本車の人気が高い一方で数年前より中国車が存在感を増していた
幅広い車種がマレーシア中を駆けまわる
マレーシアの首都クアラルンプールで道路を走るクルマを定点観測していると、圧倒的にマレーシアブランド車を見かけることになる。それもそのはず、新車販売台数の6割強がプロトンとプロドゥアからなるマレーシアブランド車なのである。
なかでも多く見かけるのがプロトン・サガとプロドゥア・ベザというコンパクト4ドアセダンである。この両車種はクアラルンプールでライドシェアアプリによるマッチングを試みるとかなりの確率で当たるほど、ライドシェアでも定番となっている。
それもそのはず、マレーシアブランド車は税金を始め政府からの優遇策もあり、車両価格が日系など外資系ブランドに比べると段違いに安いのである。
事実、サガは3万9990リンギット(約155万円)から、ベザは3万4580リンギット(約138万円)からとなっている。車格が近いホンダ・シティが8万4900リンギット(約339万円)であるため、外資系ブランド車の半額程度となっている。マレーシアブランドのなかでは、プロトンが2017年に中国ジーリー(吉利)傘下となってから車両価格が高くなってきたのに対し、プロドゥアは全般的にプロトンより安い値付けを継続していることもあり、プロドゥアのほうがマレーシアブランドのなかでも高い販売シェアとなっている。
日系ブランドでは東南アジアあるあるでトヨタが圧倒的な強みを見せている。東南アジア全体でも高い人気を維持しているアルファード(ヴェルファイア)なのだが、クアラルンプール市内を見渡すと、アルファードが大好きなことで有名なタイをはるかに超えるかのような勢いで街なかを走っていた。
筆者が見た限りではまだまだセダン人気の根強さを感じており、アルファード系以外では、コンパクトセダンのヴィオスが目立つなか、それでもカローラクロスも頻繁に見かけた。
周辺国と比べてもホンダ車を多く見かけることができた。コンパクトセダンのシティがかなり多く走っており、これにシビック、そしてHR-V(日本でのヴェゼルに相当)、CR-Vが続いていた。またパトカーとしてホンダ車が採用されていたことには驚かされた。
2024年に訪れたときよりは若干パワーダウンしているようにも見えたのだが、マツダの人気も相変わらず高い。人気の中心はCX-8やCX-5といったクロスオーバーSUVとなるのだが、マツダ・MX-5 RF(日本でのロードスターRF)も意外なほど見かけた。
スポーツクーペについては、トヨタ86(またはGR86)やスープラもそれほど長時間ではない定点観測のあいだでも見かけたので人気が高いようである。
中国系ではマレーシアではBEV(バッテリー電気自動車)しかラインアップしていないBYD(比亜迪)がATTO3そしてシーライオン7を中心に多く見かけたのだが、OMODA、JETOUR、JAECOOといったブランドも含めたチェリー(奇瑞汽車)系車両の勢いを感じた。チェリーはどの市場でもいきなり多数のブランドを展開する戦術をとっており、東南アジアではどこへ行っても勢いの強さが目立っている。
ジーリー傘下となっているプロトンではジーリーのBEVをe.MASブランドとして展開している。マレーシアブランドとなるので価格面でも有利となるのだが、マレーシア以外ではジーリー車としてはEX2としてラインアップしているコンパクトBEVをe.MAS5とし、マレーシア車として販売している。年初から納車を始めて以来、マレーシア国内での車名別BEV販売でトップになっているとのことであった。
BEV普及率が数%という日本並みとなっているマレーシア。しかしBEVだけではなくPHEV(プラグインハイブリッド車)、HEV(ハイブリッド車)そして純ガソリンエンジン車など多彩なラインアップを展開している中国系ブランドを、2024年に訪れたときより明らかに多く見かけた。
