
この記事をまとめると
■ランドクルーザーは1951年のBJ型から歴史をもつトヨタの象徴的SUVである
■高いブランド力とリセールバリューが人気を支えている
■注文停止や納期遅延が続くなど高い人気は現在も続いている
ランクル人気はなぜ衰えない?
空前のSUVブームの今、クロスオーバーモデルとは別のジャンルで圧倒的な人気を誇るのがトヨタ・ランドクルーザーだ。現在、ランドクルーザーにはもっとも新しい昨年のJMSで初披露された「FJ」(450万円)、「70」(480万円)、「250」(577万9400円)、そしてフラッグシップの「300」(525万2500円~813万6700円)がラインアップされ、1車種で4タイプから選ぶことができるのも大きな魅力だ。
そもそもランドクルーザーの起源を辿れば、1951年8月に強力なエンジンを備えた4輪駆動車、トヨタBJ型として誕生。自動車として初めて富士山6合目までの登山に成功するなど、厳しい環境で高い走破性を発揮し、そのタフネスな実績も踏まえ、全国各地でパトロールカーとして採用されるようになったのだ。
以降、累計約1040万台、年間30万台以上(2020年末時点:累計販売台数、年間販売台数ともレクサスLX、GXを含む数値)のランドクルーザーが世界170の国と地域のユーザーに愛用されつづけている。その理由はSUVの王者の1台といえるランドクルーザーが守り続けている本質「信頼性・耐久性・悪路走破性」だ。つまり、「どこへでも行き、生きて帰ってこられるクルマ」というコンセプトのもと、耐久性・悪路走破性・信頼性を鍛えながら進化を続けてきたのである。
その歴史を振り返れば、1951年に登場した初代、BJ型は当時の国家地方警察のパトロールカーとして採用され、すでに説明したように、自動車として初めて富士山6合目まで登坂した驚異の走破性の実績のもち主だった。車名は1954年にBJからランドクルーザー(陸の巡洋艦の意味)に改められた。
1955年11月には2代目、20系が登場。民間向けとなったエクステリアデザインとなり、海外への輸出を開始。海外でトヨタの品質、耐久性、信頼性を広める役割を担った。それをトヨタは「ランドクルーザー作戦」と呼んでいたそうだ。
日本のモータリゼションの幕開けとなった60年代。その1960年8月に登場したのが40系の3代目ランドクルーザー。信頼性、耐久性、悪路走破性というランドクルーザーの本質を備えたクロスカントリーモデルとして世界中で高い評価を獲得。この40系は以来、50系と並行して24年ものロングセラーとなったのである。クラシック・ランドクルーザーのなかで今でも愛用者が多いのが40系だ。
1967年8月に4代目としてデビューしたのが50系。まったく新しい本格ステーションワゴン型となり、ランドクルーザーの本質はそのままに、広々とした室内空間と快適性を備えた、いってみれば現在の300系の祖先ともいえるモデルである。
1980年8月には60系へと進化。50系の真の後継車となるステーションワゴン型を踏襲。時代の高速化に伴い、走行安定性向上のためワイドトレッド化され、個人ユーザー向けの快適装備を充実させたのがこの世代である。60系もまたロングセラーとなり、1990年1月まで販売されている。
40系の後継モデルとして、ランドクルーザーの本質を守るヘビーデューティー型の復活が、1984年11月に登場した70系だ。初代BJから続くランドクルーザーの精神である堅牢性をどのシリーズより色濃く受け継いだのが70系、通称「ナナマル」である。
1989年10月には60系の後継となる80系が登場。当時として、ランドクルーザー史上最高のオフロード性能が与えられ、しかも高級セダンに匹敵する乗り心地、装備となったステーションワゴン型である。1989年はトヨタの最上級サルーン、世界を震撼させたセルシオがデビューした年でもあり、SUVのセルシオ、悪路のセルシオと呼ばれたのがこの80系だった。バブル期とも重なり、日本におけるランドクルーザー人気を決定づけたのがこの80系だろう。
1996年5月には90系がデビュー。ランドクルーザー初のフロント独立懸架サスペンションを採用。ランドクルーザーとしての悪路走破性はそのままに、オンロード性能、乗り心地をさらに向上させた世代でもある。
1998年1月、80系の後継者として100系がデビュー。ステーションワゴン型として初めてフロント独立懸架を採用。4WDの基本性能の向上とともに、高級SUVとしてのプレステージ性とオンロード性能、乗り心地を向上させている。
2002年10月に登場したのが120系だ。新設計の高剛性フレーム(ランドクルーザー初の分割フレーム構造)を採用。電子制御をふんだんに取り込み、悪路走破性とオンロードの快適性を高次元で両立している。
2009年9月には150系に進化。120系からさらにボディ剛性を高め、オフロード性能を高める先進技術を盛り込んでいる。
2007年9月、100系の後継となる200系がデビュー。ステ―ションワゴン型としての分割フレーム構造を採用し、プラットフォームをついに一新。剛性、耐久性、衝突安全性、室内の快適性を大幅に高めた世代といっていい。
そして、現在のランドクルーザーのフラッグシップとなるのが、2021年にフルモデルチェンジし、TNGA-Fラダーフレームアーキテクチャを採用した、日本市場はもちろん中東やオーストラリアでも圧倒的人気を誇る300系である。
「力強さと、堂々とした品格ある佇まい」を謳うエクステリアデザイン、「過酷な移動を支える装備を、すみずみに」配置した」運転に集中できるコクピット、「地球上を走破する、強靭な走行性能」、「さまざまなシーンでドライバーを支援する」Toyota Safety Senseを始めとする先進安全装備の充実、さらに「つながるクルマとともに、どこへでも」を叶えるコネクティッド機能を用意。最低地上高225mm、307馬力、71.4kg-mのディーゼルエンジン、415馬力、66.3kg-mを発揮するV6ツインターボエンジンを揃え、史上最強のランドクルーザーとして君臨することになる。
