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【試乗】水素ステーションが充実していないいま970kmの航続距離は重要! 乗ってわかった新型ヒョンデNEXOの高い完成度とFCVの現在地 (1/2ページ)

【試乗】水素ステーションが充実していないいま970kmの航続距離は重要! 乗ってわかった新型ヒョンデNEXOの高い完成度とFCVの現在地

この記事をまとめると

■ヒョンデが発売した2代目NEXOに試乗することができた

■約5分で水素を充填できてV2L/V2Hにも対応するなど実用性はかなり高い

■一方で4WDがないことや水素ステーションが不足していることなどの課題も残る

2代目へと進化したFCEVの新型NEXOに乗った

 ヒョンデが日本市場に投入した新型「NEXO(ネッソ)」に一般道で試乗することができたのでリポートしよう。

 NEXOは水素を燃料として発電し、モーターで走行するFCEV(燃料電池電気自動車)。初代から数えて2代目となる新型は、燃料電池システムから駆動系、車体、室内空間まで全面的に刷新されている。

 日本ではトヨタMIRAIや、かつてのホンダ・クラリティFUEL CELLなどによってFCEVの存在は知られているものの、まだまだ普及しているとはいい難い。最大の障壁はやはり水素ステーションを中心とするインフラだろう。しかし、技術そのものに目を向ければ、水素と空気中の酸素を燃料電池スタックで化学反応させて発電し、その電力によってモーターを駆動するFCEVにはBEVとは異なる可能性がある。

 今回試乗したのは中間グレードとなる「NEXO Lounge」。価格は820万円(税込)。ボディサイズは全長4750mm、全幅1865mm、全高1690mm、ホイールベース2790mm。車両重量は1970kgで、駆動方式は前輪駆動となる。最小回転半径は5.5mに抑えられており、実際にステアリングを切ってみても、このサイズのSUVとして取りまわしはかなり良好だ。

 注目すべきは、やはりFCEVとしての性能である。燃料電池システムの最高出力は94kW。駆動モーターは最高出力150kW(204馬力)、最大トルク350Nmを発生する。さらに2.64kWhのリチウムイオンバッテリーを組み合わせる。水素は公称使用圧力70MPaの円柱状タンク3本に貯蔵され、内容積は54リットル×3本の計162リットル。水素有効搭載量は6.69kgに達する。

 Loungeは245/45R19タイヤを装着し、燃料消費率は145km/kg。一充填走行距離は参考値ながら970kmを実現する。18インチの225/55R18を履くVoyageなら152km/kgとなり、1014kmに達する。約5分程度で水素を充填できるというFCEVの特徴を考えれば、長距離移動における利便性はBEVに対する大きなアドバンテージになり得る。

 走らせてまず感じるのは、電動車らしい滑らかさだ。アクセルを踏んだ瞬間からモーターの350Nmトルクの立ち上がりを自在に制御でき、約2トンの車体を軽々と押し出す。メーカー公表の0-100km/h加速は7.8秒で、このクラスのSUVとして動力性能に不満はない。先代の9.2秒から大幅に短縮されており、高速道路への合流や追い越しでも十分な余裕を感じさせる。

 しかもドライバーが「水素で走っている」と意識させられる場面はほとんどない。アクセルに対する応答も自然で、BEVを含め電動車を数多く手がけてきたヒョンデらしく、ドライバビリティの完成度は高い。

 パワートレインから発生する騒音も極めて小さい。停車中はもちろん、走行中もエンジン車のような燃焼騒音や振動が存在しない。そのため室内は基本的には静かだ。

 一方で、静かなだけに別の部分が気になってくる。とくに19インチタイヤを装着したLoungeでは、後輪から発生するロードノイズや振動がリヤボディを通じてキャビンへ伝わってくる。リヤサスペンションはマルチリンク式だが、パワートレインが静かなだけに、タイヤやサスペンションから伝わる入力が相対的に目立つのだ。

 NEXOは大きなテールゲートを備える2ボックスSUVでもあり、後方の荷室とキャビンが連続している。今回の試乗車では荷室を覆うトノカバーも装着されていなかったため、後方から入ってくる音が運転席まで届きやすかった。静粛性をさらに高いレベルへ引き上げるなら、このあたりの遮音、制振にはまだ改善の余地がありそうだ。

 対してフロントまわりの動きは軽快だ。ノーズに重量物となる内燃機関を搭載していないこともあり、ステアリング操作に対する反応は素直で操舵力も軽い。全幅1865mmという数字から想像するほど大柄なクルマを扱っている感覚はない。

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