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この40年でF1が速くなり続けたのは電子制御のおかげ! 一方で極論「ドライバー不要」までイケる電子デバイスのジレンマ (1/2ページ)

この40年でF1が速くなり続けたのは電子制御のおかげ! 一方で極論「ドライバー不要」までイケる電子デバイスのジレンマ

この記事をまとめると

■F1の高性能化を支えた大きな転換点がターボと電子制御技術の導入といえる

■1980年代には1500ccから1500馬力を発生する驚異的な領域に到達

■電子制御の進化はF1を速くする一方で人間が操る意味も問い始めた

高性能化を支えた「電子制御」の進化

 世界最速のモーターレーシングといえば、名実ともにそれを代表するカテゴリーがF1だ。1950年に「Formula One World Championship(フォーミュラ・ワン世界選手権)」として制定され、チャンピオンタイトルはドライバーとシャシーコンストラクター(=チーム)に冠せられた。ちなみに、製造するメーカーの世界一を決定するレースは、1953年にスポーツカーによる長距離レースをシリーズ化した「World Sportscar Championship(世界スポーツカー選手権)」となる。

 さて、サーキットをより速く走るための要素とはいったいなんだろうか。思い出してほしいのが「走る」「曲がる」「止まる」の、いわゆる自動車の運動に関する基本3要素だ。より速く、つまり優れた加速性能とより高い最高速度性能、より速く旋回するコーナリング性能、短時間(短距離)で車両速度を低減、停止させる制動性能、これら3性能が高ければ高いほど、より速い速度(より短い時間)でサーキットを周回できることになる。

 そして、これら運動3要素の性能引き上げに大きく貢献するシステムが、電子制御(コントロール)方式だが、その前に、少しだけ自動車のメカニズムをおさらいしておこう。自動車は、基本的に機械運動部の集合体である。逆にいえば、電子デバイスによるコントロールシステムがなくても、自動車としての基本性能、基本要素を満たすことはできる。自動車発祥以来、1970年頃までの自動車メカニズムを振り返れば、このことは明らかだ。

 これを踏まえたうえで、F1の歴史を振り返ってみたい。F1の規格は、最初のおよそ四半世紀ほどは機械工学の改善だけで進化を果たしてきたが、この流れに大きな転換点をもたらしたのが、ルノー(F1に関して)が試用を始めたターボチャージャーの導入だった。

 ターボチャージャーは、排気ガスのエネルギー(排気ガス流と考えてよい)を使って吸入気を圧縮し、それに見合った燃料量を供給することで、大きな燃焼エネルギー(エンジンパワー)を得ることができるシステムだ。ざっくりとした考え方だが、自然吸気で1500ccのエンジンにターボチャージャーを装着。それをプラス1気圧で過給すれば、吸入空気量は倍の3000ccとなる。当然、供給する燃料量も倍になるので、考え方としては1500ccエンジンの倍の出力(実際にはそうならない)が得られることになる勘定だ。

 しかし、短時間のうちにより完全に近い燃焼作業を行う必要があるため、精密で微細な燃焼コントロールが必要となる。緻密な燃料噴射量(燃料噴射装置の存在が前提)の設定、適切な点火タイミング、気温、気圧の補正など、機械式システムでは不可能な複雑精緻な制御を電子制御式ではほぼ完璧、正確に行うことができる。

 ターボF1最初のチャンピオンは、1983年のネルソン・ピケ(ブラバムBMW)で、これ以降ターボ化はF1GP界の主流となり、TAGポルシェ(マクラーレン)、ホンダ(ロータス→ウイリアムズ→マクラーレン)と圧倒的な強さを示しながらチャンピオンドライバーを輩出していった。

 この1980年代は、自動車のパフォーマンステクノロジーが一足飛びに進化した時代で、自然吸気エンジンの半分の排気量と規定されていたターボエンジンは、最終的には1500ccの排気量から1500馬力(ホンダ=予選ブースト)を発生するレベルに達していた。

 そのため、天井知らずでパワーアップを続けるターボエンジンに対し、1987年、最大過給圧を4バールに制限(1987年)する規定となった。興味深いことに、やはりパワー競争に陥っていたグループBカー規定のWRC(世界ラリー選手権)が、ドライバーが操るにはあまりに危険という理由からグループB規定を廃止、量産車ベースのグループA規定に改訂された時期と重なっている。

 こうしたハイパワー化を実現した技術は、いうまでもなく電子制御化されたターボチャージャーによる過給方式である。言い換えれば、F1(すべての自動車と置き換えてもよい)の高性能化を可能にした技術は、機械システムの電子制御化といってもよい。

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