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「じつは消去法?」軽自動車が新車販売の4割にも達する本当の理由

「じつは消去法?」軽自動車が新車販売の4割にも達する本当の理由

この記事をまとめると

■軽自動車は日本で新車販売されるクルマのうち約40%を占めている

■日本の税制度や生活環境に適しているため支持されている

■自動車メーカーも軽自動車以外は海外市場を優先してクルマを作るようになった

軽自動車が大ヒットし続ける背景

 2026年1〜7月に国内で新車として販売された4輪車のうち、軽自動車が36%を占めた。過去を振り返ると、国内における軽自動車の販売比率は、1995年ごろまでは約25%だった。それが2000年には約30%に増えて、2010年以降は現在と同じ36%前後で推移している。2014年のように40%に達した年もある。

 軽自動車が増えた背景には、大きくわけてふたつの理由がある。ひとつ目は軽自動車の商品力が向上したことだ。いまの軽乗用車の売れ方を見ると、全高が1700mmを超え、スライドドアを装着したスーパーハイトワゴンが50%を上まわる。このタイプは軽自動車でありながら車内が広く、4名で快適に乗車できる。後席を格納すれば、自転車のような大きな荷物も積めて、収納設備も豊富だから日常生活で使いやすい。

 しかも軽自動車はボディが小さいから、混雑した街なかや駐車場でも運転しやすい。スーパーハイトワゴンのスライドドアは、開閉するときにドアパネルが外側へ大きく張り出さず、狭い駐車場でも乗り降りしやすい。加えて税金も安い。

 つまり軽自動車は、狭く混雑した道路環境で子育てを行い、なおかつクルマ関連の高額な税金を納めるという、日本の使用環境に最適なクルマだから人気を高めた。いまはクルマの価格が高騰しているから、軽自動車の需要は一層増えている。

 したがって、スーパーハイトワゴンに属するホンダN-BOX、スズキ・スペーシア、ダイハツ・タント、日産ルークスなどは、国内販売ランキングの上位に入る。初代タントは2003年、初代N-BOXは2011年に発売され、これらのスーパーハイトワゴンが好調に売れたことで、軽自動車の販売台数と国内販売比率を押し上げた経緯もある。

 軽自動車が増えたふたつ目の理由は、メーカーの商品戦略だ。日本の自動車メーカーの国内と海外の販売比率は、1990年ごろまでは各50%ずつだった。それが1989年の消費税導入にともない、自動車税制が改訂されて3ナンバー車の不利が撤廃されると、海外向けの車種を国内へ流用するようになった。メーカーは「日本で海外向けの3ナンバー車を売れば、大きく豪華になるからユーザーは喜び、開発は合理化されて一石二鳥」と考えた。

 ところがそれは裏目に出た。海外向けの商品は、サイズだけでなくデザインや機能、装備に至るまで、日本のユーザーに合わないところが多い。そこにバブル経済の崩壊も加わり、国内販売は急落した。1990年の国内新車販売台数は778万台だったが、2000年は77%の596万台、2010年は496万台だから、1990年の64%まで減った。

 その結果、2000年代の前半には、ダイハツを除いた日本メーカーの多くは、世界生産台数の約70%を海外で売るようになり、2010年代には80%に達した。

 これにともない、日本のメーカーにとって、日本は20%以下の「オマケの市場」になった。クルマ造りの基本は海外向けで「日本は小さなクルマを好むから、軽自動車と少数のコンパクトカーやミニバンに任せればいい」という発想に変わった。

 以上のような経緯をたどっているため、軽自動車は優れた商品だが、実際には消去法で選ばれている面もある。魅力的な小型&普通車がないから、仕方なく軽自動車を選んでいるユーザーも多いのだ。

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