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旅の楽しみを運ぶ特殊トラック! 機内食を地上8mへ届ける「ケータリングカー」の知られざるスゴ技

旅の楽しみを運ぶ特殊トラック! 機内食を地上8mへ届ける「ケータリングカー」の知られざるスゴ技

この記事をまとめると

■空港ではさまざまな車両が活躍している

■機内食を運んでくるトラックを「ケータリングトラック」と呼ぶ

■高所作業車と同様の機構で稼働し厳格な衛生管理と温度管理がされている

飛行機に積み込む食品を扱うトラックとは

 空港の展望デッキや飛行機の窓から駐機エリアを眺めているとき、航空機のドアに向けて荷台を高くもち上げているトラックを見かけることがある。これにはいくつかの種類があるのだが、機内食を運んでくるものを「フードローダー車」、一般的には「ケータリングトラック」と呼んでいる。このトラック、一見すると街なかを走る一般的な大型トラックのようだが、航空機特有の要求に応えるための驚くべきメカニズムと、緻密な運用を支える工夫が凝縮されているのだ。

 この車両の大きな特徴は、荷台が油圧シリンダーによって垂直に昇降する機能をもつことである。航空機の乗降口やサービスドアは、地上から4m~8mぐらいの位置に存在する。これらすべての高さに対応し、安全かつ迅速に機内食を搬入するために、この昇降システムが不可欠なのだ。

 ベースになるのは、主に4~10トンクラスの中型・大型トラックのシャシー。その上に、油圧式のリフト機構と特装コンテナ(荷室)を架装している。荷台が上昇する際、車体の安定性を保つためにアウトリガー(油圧式の脚)を張り出して車両を完全に固定。これはクレーン車や高所作業車と同様の機構で、強い風が吹く空港特有の環境下でも転倒や揺れを防ぐためのものだ。

 ケータリングトラックは機内食という「食品」を運ぶため、厳格な衛生管理と温度管理が求められる。そのために荷室内部は、強力な冷却装置を備えた大型の冷蔵庫になっている。調理工場で完成した機内食は、厳密な温度管理のもとでトラックに積み込まれ、飛行機に運び込まれる直前まで最適な温度に保たれるのだ。

 では、実際にこのトラックがどのように稼働し、飛行機に機内食を運び込んでいるのだろうか。そのプロセスは、分単位で管理される航空機のターンアラウンド(折り返し運航の手配)に合わせて、以下の手順で進行する。

・積み込みと移動

 機内食調理工場で、その便に必要な機内食やドリンクなどを収めたミールカートをコンテナ内に積み込み、指定された駐機スポットに向かう。

・航空機へのアプローチ

 航空機がスポットに到着して安全が確認されると、トラックは航空機のサービスドア(便によって使用するドアは異なる)に向けて前向きに接近。航空機の外板は非常にデリケートであるため、接触は絶対に許されない。誘導員の正確なサインなどにより、ドアの手前数10cmの位置に停車する。

・リフトアップと接続

 車体をアウトリガーで固定したあと、荷台をドアの高さまで垂直に上昇させる。荷台の最前方(運転席の頭上付近)には「フロントステージ(拡張デッキ)」と呼ばれる作業床が備わっており、これが前方にスライドして航空機のドア口へと渡される。渡り板などで隙間や段差をなくし、安全な通路を形成する。

・機内食の交換作業

 作業員が機内へと入り、前便で使用された空のミールカートやゴミを回収しながら、新しく用意した機内食のミールカートを順次入れ替えていく。ミールカートは機内のギャレー(厨房スペース)に運び込み、所定の位置に固定。すべての交換作業を終えるとステージを格納し、荷台を降下させて撤収する。

 空の旅において、機内食は乗客にとって大きな楽しみのひとつだ。それを「安全に」「新鮮なまま」「時間通りに」届けるという、重要な役割を担っているのがケータリングトラックだ。その使命を全うするべく、独自のメカニズムとプロの技術によって、日々世界の航空インフラを陰で支え続けているのである。

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