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「30円補助」でも13円しか安くならない理不尽!  税金から出るガソリン補助金が消費者に全額還元されない“納得いかない”カラクリ

「30円補助」でも13円しか安くならない理不尽!  税金から出るガソリン補助金が消費者に全額還元されない“納得いかない”カラクリ

この記事をまとめると

■ガソリン補助金は支援がそのまま消費者に届かない課題がある

■燃料価格だけでなく電力や食料を含めた長期的なエネルギー政策が問われている

■EVや再生可能エネルギー原発などを含め日本の国情に合った将来像が必要とされる

ガソリン補助金の効果は本当に出ている?

 原油価格上昇の対応策として、燃料への補助金政策が行われている。それによって、ガソリン価格は1リッターあたり170円以下に抑えられている。

 一方、投入された補助金額に比べてガソリン価格の値下がりが十分でないとの指摘がある。たとえば今年3月の燃料油価格激変緩和対策事業(補助金)による支給額は、1リットルあたり30.2円に設定されたにもかかわらず、全国平均価格は13.1円しか下がらなかったという。

 背景にあるのは、補助金が石油元売り業者へ支給され、そこからガソリンスタンドなど販売業者へ納入する燃料の仕入れ価格に反映されるという構造だ。それにより効果が出るのが遅れるほか、元売り業者が買い入れた原油価格の上下によっても金額差が生じている可能性がある。

 そもそもガソリンスタンドの軒数が半分以下に減少し、エンジン車の燃費向上により燃料販売が半減するような状況になっているため、石油元売り会社の姿勢が慎重になり、長い視野でガソリンスタンドへの卸価格を考えている可能性もあるのではないか。

 政府が国民生活やそれを支える事業者の負担を軽減しようと税金をもとに補助金を投入しても、中間事業者などの事情により、そのまま市場価格に反映されにくいということだ。これはガソリン価格に限らず、昨年からの米価についてもいえることで、消費者は必ずしもすぐに恩恵を受けない実態がある。かたや米農家は、価格の上下や生産調整などにより、安心して農業に従事できていない実態がある。

 補助金政策が必ずしも効果的でない背景にあるのは、国の将来計画が明確でないからではないか。エネルギー計画においてはかつて再生可能エネルギーの普及を推進したが、それは他国の真似であり、国土が狭く平地の少ない日本の実情に適した案ではなかった。一転して、今度は原子力発電を柱のひとつにしようとしている。だが高レベル放射性廃棄物の対処はできていない。

 日本の国土の実態は、たとえばスイスに似ている。平地が少ないのはスイスも同じで、国土の40%ほどだ。日本も平地は40%かそれ以下である。したがってスイスの再生エネルギー比率は12%でしかなく、原子力は28%である。あとは水力だ。平地の少ない国は原子力を重視する必要がある。一方で、高レベル放射性廃棄物の処理は確実に実施しなければならない。

 この点について、既存の軽水炉やそれを基にする小型炉は処置が難しい。しかしトリウム溶融塩炉を新設すれば、発電しながら高レベル放射性廃棄物の処理ができる。地下に何万年も封じ込める必要がない。EVを確実に普及させ、VtoXという系統電力との相互制御を行い効率的に電気を使えば、発電所の数を減らすことさえ可能になるとの研究を日産自動車は行っている。

 政府はそうした検討をしない。国土や国情に適したビジョンをもっていない。税金を原資とする補助金を場当たり的に既存のエネルギー基盤に投入し、消費者への還元が限られた状況を放置している。また消費者、つまり国民も、そうした実態を自ら評価せずにいる。

 気候変動はすでに明らかだ。線状降水帯といったかつてない気象による災害が全国で起きている。単にガソリン補助金の課題だけでなく、自分たちがいかに幸せな未来を過ごせるかという目線で国の行方を見守る姿勢が不可欠だ。

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