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EVがRX-7に化け、テスラの弱点も克服!? トヨタ系巨大サプライヤー「アイシン」の凄すぎる未来技術6選をイッキ乗り (2/2ページ)

EVがRX-7に化け、テスラの弱点も克服!? トヨタ系巨大サプライヤー「アイシン」の凄すぎる未来技術6選をイッキ乗り

この記事をまとめると

■750haの広大なテストコースで未来技術を満喫

■ミッション屋の息吹を感じるBEVの制御が優秀だ

■ゲーム感覚のBEV+エンジン車テイストが新しい

クルマがもっと楽しくなる夢の技術を見た

 トヨタ系メガサプライヤーとして知られる「アイシン」。クルマ好きであれば、アイシンという響きからトランスミッションを想像するかもしれないが、今や「走る・曲がる・止まる」にかかわる幅広い部品を製造するグローバルなメガサプライヤーとなっている。

 今回、アイシンが北海道に持つ豊頃試験場という750haの広大なテストコースを訪れ、その企業規模を感じると同時に、アイシンが未来に向けて仕込んでいる技術の数々を試乗するという、貴重な機会を得た。走る・曲がる・止まる+クルマの知能化を具現化した、6つの新テクノロジーを紹介したい。

 まずは、6つの新テクノロジーを並べてみよう。

・小型eアクスルの機能統合電動ユニット

・旧車の味を再現した車両統合制御

・パーソナライズされた車両統合制御

・フル電動式の次世代ブレーキシステム

・メガキャストの欠点を解消するTEKIZAIボデー

・人の動きを認知するストレスフリーエントリーシステム

 まさに、走る・曲がる・止まるの各分野をカバーしている内容であり、メガサプライヤー「アイシン」の総合力を感じられる新技術のラインアップだ。

 さっそく日産サクラをベースにした試作車に搭載された機能統合電動ユニットから試乗してみよう。

 2029年の量産を目標に開発している9in1の電動ユニットは、モーター、ギヤボックス、熱マネージメント機能、インバーター、アキュムレータなど9つの機能をコンパクトに一体化したもの。サクラにインストールされた状態を見ても、9in1ユニットの上に、フランク(フロントトランク)を設けられるのではと思うほど、スペースに余裕を生んでいる。電動ユニット全体でいっても30kg以上の軽量化を実現しているという。

 すなわち、走りにおいては、低重心と軽量化がメリットになる。ただし、今回は足まわりまでは手を入れておらず、サスペンションセッティング自体は最適化されていない。そのためノーマル状態のサクラと比べると、フロントが軽くなったぶんだけリヤが沈んでいるように見えた。

 それでもノーマルのサクラと乗り比べると、ハンドリング面での優位性は明らかだった。とくにアクセルオフからのノーズの入り方が気もちいい。

 その理由について、開発エンジニア氏に尋ねると、「バックラッシュを考慮した制御の副産物ではないか」ということだった。バックラッシュとは、簡単にいうとギヤの歯当たりのことで、電動ユニットにおいてはギヤ由来のノイズやショックを抑えるために、バックラッシュを考慮してモーター出力を微細にコントロールすることが多い。

 トランスミッション開発の経験豊富なアイシンは、バックラッシュについての知見も多くもっている。その経験は、このコンパクトな電動ユニットにおいても活かされている。ポイントは回生力を発生させるまでのタイムラグだ。

 現在、量産されているBEVでは、アクセルオフでギヤの歯当たり面が切り替わるとき、100ミリ秒ほどの時間をあけて回生を発生させるようになっていることが多いという。そのラグをアイシンの技術で20ミリ秒まで短縮したことで、アクセルオフで回生ブレーキが機能するまでのタイムラグを最小としている。

 これをドライバー目線で言語化すると、減速の立ち上がりが早く、リニアにフロント荷重を感じることができる。それが、ハンドリングのアドバンテージとして体感できるということだろう。

 電動車両においては制御で味付けが自由自在……というのは事実だが、物理的なメカニズムへの理解が深くなければ、そのメリットを引き出せないという気づきを、アイシンの統合電動ユニット試乗から感じることができた。

 さて、続いて試乗したのはレクサスRZをベースとした試験車に搭載された「コンバージョン型車両統合制御」。簡単にいうと、旧車のパワートレインをデータ化して、その走りを再現しようというものだ。

 今回、用意されていたのはレクサスLFA、トヨタ2000GT、マツダRX-7、アメリカンマッスルカーの4タイプ。モーター出力だけでなく、エンジンサウンドも実車さながらに室内に流す。さらに疑似的にトランスミッション特性まで再現するといった凝りようだ。

 ただし、現時点では完全に走りを再現しているというより、気分を味わうといった遊び心のレベルにとどまっているようだ。4タイプのなかで、筆者が実車の走り味をもっとも記憶しているRX-7モードで感じた印象を正直に書けば「エンジンのまわり方はロータリーエンジンぽいけれど、加速感の刺激はまったく異なる」というもの。

 聞けば、エンジン特性についてはモーター制御でほぼ完ぺきにトレースしているというが、パワーウエイトレシオを補正するところまでは思いが至っていないようで、ロータリーターボを重量級のクルマに載せたような残念感もあった。パワーウエイトレシオの補正というロジックを組み込めば、もっとリアリティを感じることができそうだ。

 そこまで再現ができれば、このコンバージョン機能は、それ単体で商品力をもつだろう。今自動車業界ではSDV(ソフトウェア定義車両)が熱いが、旧車の走りを再現できるプログラムが配信されれば、価格次第では有料で購入するユーザーも少なくない、と思う。少なくとも、今回試乗したなかでアメリカンマッスルカー・モードについては、有料販売できる完成度にあると感じさせられた。

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