
この記事をまとめると
■タクシーの配車アプリが普及しタクシー乗務員の収入が上がっている
■最近では外資系のタクシー配車アプリとその業者が勢力を拡大中だ
■外国人観光客をどうタクシーに乗せるかが日本の事業者たちの課題だ
外資系配車アプリが日本で広く普及中
タクシーの配車アプリが普及して久しい。スマホアプリを通じて、近くを走る提携タクシー会社の空車車両とマッチングを行うことで、指定乗車地に迎えにきてもらえるようになり、タクシーの利便性が格段にあがった。保守的ともいえるタクシー業界にとっては、まさに革命的なこととして配車アプリが導入され、タクシーでの稼ぎ方も大きな変化を見せた。
東京23区内など大都市では、流し営業(通りを流してタクシーに乗りたい人を探す)が主体なのだが、郊外では駅前のタクシー乗り場で客待ちをしながら、タクシー会社個々や無線協同組合が請け負った無線配車に対応するのが主な営業スタイルだった。
しかし、アプリ配車の普及により、お客を駅から目的地で降ろしたあと、それまでは空車で駅に戻るケースも多かったものの、戻る途中でアプリによる配車要請が入るようになった。自分がメインで流している地域から遠隔地へお客を乗せていった帰りにも、あまり詳しくない場所で配車要請がかかることも出てきた。つまり、より緻密に実車(お客を乗せている)となる時間が増えていき、タクシー乗務員の所得アップに大きく貢献することとなった。
そのアプリ配車は、タクシー事業者最大手系のものが提携事業者も多く、ある意味覇権を握るような存在だったのだが、ここのところ風向きが変わりつつあり、外資系の存在感が高まってきた。アメリカやインドで筆者も実際に使ったことがあり、日本でもフードデリバリーサービスで有名なマッチングアプリによる配車サービスが、ここのところ急激に加盟業者を増やしている。さらに都内でも、大手事業者が中国系のアプリ配車サービスに加盟し、車体に大きくそのロゴが貼られているタクシーを頻繁に見かけるようになった。
いわゆる外資系アプリサービスがここのところ目立つようになってきたのは、インバウンド(訪日外国人観光客)を中心とした外国人の利用が期待できることが多いからだ。自分たちの母国で日ごろ使っている配車アプリを、日本でもそのまま使うことができれば、これほど便利なことはない。しかも、とくにインバウンドは、都内でも浅草のホテルから新宿のホテルまで、さらには都内から千葉県にある世界的に有名なテーマパークまでなど、とにかく長距離で料金が高額になる利用が目立っている。
また、世界的に有名な記憶媒体の工場がある地方都市では、そこを訪れる外国人ビジネスマンを中心に、外資系配車アプリでタクシーを利用する頻度が高いとして、地元タクシー会社の当該配車アプリサービス加盟が殺到しているとも聞いている。
とはいえ筆者の居住地域では、2025年7月から某外資系配車アプリによる配車要請ができるようになったが、まだまだ日系の配車アプリ最大手ほど利便性が高まっていない。
とにかく、配車アプリのなかったころは、早朝にタクシー会社に配車の電話をかけても、クルマがいないとして利用することができなかった。ところがいまでは、午前4時あたりでも数分でタクシーが来るようになった。タクシー乗務員いわく、このあたりはなぜか早朝に配車要請が多いとのことで、この地域を狙って近隣のコンビニなどで配車要請が入るのを待っているタクシーも増えているようである。
日本人が日本で使うことに関しては、その規模を見ても日系最大手ならば、筆者も地方出張時でも便利に使えるので利便性が高いのだが、インバウンドの多くが日本を訪れたときに、わざわざ日系最大手の配車アプリをダウンロードして使うということはあまり考えられない。まずは自分たちが使い慣れているアプリを日本でも使えるかなと、試すはずである。
朝夕は日本人の利用も多いようだが、日中は外国人のタクシー利用が目立つとも聞いている。タクシーで稼げるかどうかも外国人頼みということが、今後より顕在化していくかもしれない。
