
この記事をまとめると
■プジョーがパリモーターショーで「E-T16コンセプト」を公開
■E-T16コンセプトは伝説の名車「205 T16」をオマージュしたスタイリングとなる
■中身は最高出力816馬力の超弩級3モーターEVだ
プジョーは205 T16をEVとして蘇らせた
2026年10月13日、フランスの パリ・エキスポ・ポルト・ドゥ・ヴェルサイユにてパリモーターショーが開幕した。フランスのモーターショーということもあり、元気なのは地元フランスの自動車メーカーで、ルノーやシトロエンから興味深いコンセプトカーが発表されている。
そんなフランスの自動車メーカーのひとつであるプジョーももちろんコンセプトカーを発表。そのうちの1台が非常に懐かしいスタイリングをしていた。そう「E-T16コンセプト」だ。
このE-T16コンセプトは、そのスタイリングからも想像できるとおり、かつてプジョーがWRCを席巻していた時代の伝説のマシン、「205 T16」へのオマージュとして開発された。往年のラリーカーを思わせる迫力満点のスタイリングに、最高出力816馬力という驚異的な電動パワートレインを組み合わせたコンセプトカーだ。
E-T16コンセプトの外観は、前述のとおり大きく張り出した前後フェンダーが特徴的で、それは現代のハッチバックという枠を超えた攻撃的なものだ。
そのほかにも大きなエアアウトレットを備えたボンネット、大型のリヤウイングなど、205 T16を彷彿とさせるディテールが盛りだくさん。そこに現代プジョーの象徴である3本爪モチーフを取り入れた前後ライトやボディを囲むように走る赤い発光ラインなどの最新の意匠を組み合わせている。また、ボディカラーもオリジナルの205 T16を想起させるウィンチェスター・マットグレーなのも泣かせる。
また、かつて205 T16ではエンジンに空気を送り込むエアインテークとなっていたが、このE-T16コンセプトではそれをモチーフとした給電口となっているのもおもしろい。さらに、リヤのボディセクションも205 T16同様に全体が跳ね上がるチルトカウル方式を採用。開いた部分からは、後輪側の電気モーターやサスペンションなどのメカニズムが姿を現すという。往年のラリーカーの機能美を、電動車ならではの構成で表現しているのも見どころだ。
パワートレインは、フロントに1基、リヤに2基の電気モーターを搭載する3モーター方式。システム最高出力は816馬力で、これはプジョー史上最強らしい。そのパフォーマンスは、0-100km/h加速はわずか2.5秒、0-300km/h加速も16秒と圧倒的で、現代のハイパーカー級だ。
足まわりには380mm径のディスクブレーキを4輪に採用し、タイヤ幅はフロント275mm、リヤ315mmという大径・ワイド仕様となり、ラリーカーを思わせる油圧式の縦型ハンドブレーキも備えるなど、走りを楽しむための装備も充実している。
気になるバッテリーは85kWhで、800Vの電気アーキテクチャーを採用。WLTPモードでの航続距離は最大400km、急速充電ではバッテリー残量10%から80%まで15分未満で充電できるとしている。バッテリーの温度管理にも力を入れており、ニュルブルクリンク北コースをパフォーマンスモードで3周しても、出力制限がかからないことを目標に開発されたという。
室内には21インチの大型パノラマディスプレイを配置し、四角形の操舵デバイス「Hypersquare」と、ステア・バイ・ワイヤ技術を組み合わせている。ステア・バイ・ワイヤは、ステアリング操作を電気信号で車輪へ伝える技術だ。従来の円形ステアリングとは異なる操作感と、スポーティな走行に適した俊敏な応答を狙っている。
残念ながらE-T16コンセプトはあくまでもコンセプトカーであり、実際に市販される可能性は限りなく低い。しかしプジョーによれば、E-T16コンセプトは次期E-208のデザインや新世代のデジタルi-Cockpitを先取りしたモデルだという。
ということは近い将来、このE-T16コンセプトで提案されたディテールやシステムを備えた市販モデルが登場することは間違いないところ。プジョーの今後の動向は要チェックだ。
