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1億4500万円で落札! 世界初のカーボンモノコック採用のロードカーは「ほぼ無名」の幻のスーパーカーだった

1億4500万円で落札! 世界初のカーボンモノコック採用のロードカーは「ほぼ無名」の幻のスーパーカーだった

この記事をまとめると

■世界初のカーボンモノコックを採用したロードカーがMCAセンテナリーだ

■MCAセンテナリーは455馬力のランボルギーニ製V12をミッドシップに搭載する

■生産台数はわずか5台程度といわれる希少車で約1億4500万円で落札された

世界初となるカーボンモノコックのロードカー

 いまや1000馬力を軽く凌駕する最高出力が当たり前のハイパーカーの世界では、カーボンモノコックは珍しいものではなくなった。

 では、そんなカーボンモノコックを世界で初めてロードカーとして採用したモデルはなんだろうか? 世界最高峰のカーボン技術を持つマクラーレンが最初に世に放ったロードカーの「F1」? それとももともとはレーシングカーとして開発されていたジャガーの「XJR-15」?

 答えはノーだ。マクラーレンF1が発表されたのは1992年5月、ジャガーXJR-15は1990年11月。じつはマクラーレンF1よりも2年早く、ジャガーXJR-15の5カ月早い1990年5月にカーボンモノコックの車体構造をもつモデルが発表されている。それが「MCAセンテナリー」だ。

「MCA」なんて聞いたことがないという人も多いだろう。MCAとは「モンテカルロ・オートモービル」の略称で、1985年にレーシングドライバーのフルヴィオ・マリア・バラビオによってモナコ公国で設立された新興メーカー。彼が自らの理想とするスーパースポーツを作り上げるべく白羽の矢を立てたのが、フェラーリをF1チャンピオンに導き、アルファロメオの伝説的エンジンを手掛けた天才エンジニアのカルロ・キティであった。

 そんな彼らコンビを組んで目指したのは、究極のパフォーマンスと最先端テクノロジーの融合だ。MCAセンテナリーの心臓部には、バラビオ自らが交渉して供給を受けたランボルギーニ製5.2リッターV12エンジンがミッドシップに搭載された。「カウンタック5000 QV」と同じ455馬力を発揮するパワーユニットを備えたMCAセンテナリーは、まさにランボルギーニの魂が宿るハイパーカーとして産声を上げたのだ。

 総生産台数は諸説あるが、オリジナルの仕様として完成したのはわずか5台程度といわれている。

 そんなMCAセンテナリーが、2026年10月9日、ベルギーで開催されたブロードアロー・オークションズの「ザ・ゾウテ・コンクール・オークション」に出品された。

 1990年に完成したこの個体は、展示やテスト走行に使用されたのち、1992年にオリジナルのアイボリーホワイトに塗装され、エンジン供給元であるランボルギーニ社へと引き渡された。そしてなんと、ランボルギーニの公式博物館で約10年間にわたり展示されたのち、創設者のバラビオ本人が買い戻しており、2014年にフランスのコレクターの手に渡っている。

 ランボルギーニのロゴが刻まれたスピードメーターは320km/hまで目盛りが振られているが、36年の時を経た現在でも、オドメーターはわずか1560kmしか刻んでいない。まさにタイムスリップしてきたかのようなコンディションを誇っている。

 極めて希少な幻のスーパーカーであるMCAセンテナリーは、今回のオークションにおいてエスティメート(予想落札価格)90万〜120万ユーロと評価されていた。そして最終的な落札価格はこれをやや下まわる82万1875ユーロ(現在の為替で約1億4500万円)となったが、ほぼ無名の新興ブランドが造り上げたスーパーカーとしては、異例とも言える高額落札といえるだろう。

 大企業の庇護をもたない小さなメーカーが、情熱と野心だけで世界一を目指した1990年代。その熱狂が生み出した「知られざるオーパーツ」は、30年以上の時を経て、「世界初のカーボンモノコックのロードカー」として正当な評価を下されたのかもしれない。

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