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なぜマーチはマイナーチェンジ? 欧州の5代目マイクラ=マーチを導入しないワケ (2/2ページ)

なぜマーチはマイナーチェンジ? 欧州の5代目マイクラ=マーチを導入しないワケ

マーチの改良はマイナーチェンジのみとなる

 国産車の販売台数では依然、コンパクトカーが上位を独占しているが、日産のコンパクトカーと言えば、今では2012年に2代目となったノートがバカ売れ。その理由は2016年のマイナーチェンジとともに加わったシリーズ式ハイブリッドかつワンペダルを実現したe-POWERの採用だ。おかげで国産乗用車販売台数No.1の快挙を成し遂げたこともあるほどで、2020年1-6月期の国産乗用車販売台数ではトヨタ・ライズ、トヨタ・カローラ、ホンダ・フィット、トヨタ・ヤリスといった強豪コンパクトカーに次ぐ5位につけているのだ。

 が、ちょっと昔の国産車に詳しい人であれば、日産のコンパクトカーと言えば、マーチがまず思い浮かぶはず。とくに2代目となるK11型は国内外ともに非常に評価が高く、1992-1993年日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したほか、欧州でも欧州カー・オブ・ザ・イヤー(1993)を日本車としては初めて受賞したほどだ。

 日本で現在販売されている現行型はその4代目で2010年に登場。しかしグローバルモデルとして、日本仕様はタイで生産。アジア・メイドの品質、3気筒1リッターNAエンジンの搭載などもあって、今や国産乗用車販売台数ベスト50にも入らないありさまだ。月間販売台数は2020年1月が649台、2月も745台と低迷している。ノートは6-7月期に6000台以上をキープしているから、その8分の1以下ということになる。

 そんなノートなどの陰に隠れまくってしまったマーチが、いよいよマイナーチェンジを行うという情報がある。基本部分は変えようもないから、主に、今のマーチに足りない先進運転支援機能の追加が目玉になるはずだが、ここで世界的な視野で見てみると、あれれ、2016年のパリモーターショーで発表され、欧州で2017年から発売されている5代目マイクラ=マーチの欧州名はどうなった!? それを日本に導入すればいいじゃん!! という見方もあるはずだ。

 が、それは、ない。日産の国内向けマーチは、デビュー10年を経ても、マイナーチェンジで乗り切ろうとしているのだ。その最大の理由は、5代目マイクラ=マーチを日本に入れたくても入れにくい事情があるからなのである。

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