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名乗らない「隠れミッドシップ」は多かった! 前エンジンの「フロントミッドシップ」の絶大な効果と課題 (2/2ページ)

この記事をまとめると

■フロントミッドシップはエンジンをドライバーの前方にレイアウトする

■フロントアクスルとリヤアクスルの間にエンジンが搭載されていればミッドシップとみなす

■フロントミッドシップは速さを引き出す上では通常のミドシップと遜色ない

エンジンをフロントに搭載するミッドシップレイアウトもある

 レーシングカーや高性能スポーツカーの多くはミッドシップレイアウトを採用している。重たいエンジンを車体の中心近くに搭載することでZ軸まわりのヨー慣性モーメントを小さくすることができ、運動性能を高めることができるからだ。

 一般的にはドライバーの後方に最重量物のエンジン配置し、隔壁を設けてキャビンと隔てている。そのため、後席スペースを確保することが困難で、ほとんどのミッドシップレイアウト車は2シーターとなっている。もちろんF1などのフォーミュラーカーはシングルシーターのミッドシップとなる。

 同じミッドシップでも、エンジンをドライバーの前方にレイアウトするフロントミッドシップレイアウトも存在する。「それって、普通にフロントエンジン車でしょ?」と問われそうだが、じつは同じフロントエンジン搭載車でもミッドシップ化することが可能なのだ。

 ミッドシップ化は車体中心にエンジンを搭載することが理想値だが、実際には乗員スペースとしてコクピットやキャビンが必要なため、車体ディメンションの完全中心にエンジンを搭載する例はほとんどない(大昔のレーシングカーで完全中心搭載例が見られたが、コクピットが異常に前進していて衝突時に危険なため現代のクルマでは見られなくなった)。

 今ではフロントアクスル(前輪車軸)とリヤアクスル(後輪車軸)の間にエンジンが搭載されていればミッドシップとみなす、という定義が定着しているのだ。

 たとえばフロントに縦置きで6気筒エンジンを搭載するモデルに、エンジン長の短い4気筒やV型6気筒(片バンク3気筒)エンジンを搭載すると、偶然的にフロントアクスルの後ろに収まる場合がある。これらもフロントミッドシップとするならば、該当車はかなり多く存在することになる。

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