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大きなサーキットだと「全部新品」ってもったいない!? クラッシュ時の衝撃吸収役「タイヤバリア」とは

大きなサーキットだと「全部新品」ってもったいない!? クラッシュ時の衝撃吸収役「タイヤバリア」とは

この記事をまとめると

■サーキットでコースをはみ出した車両が直接フェンスに激突しないように設けられたのがタイヤバリアだ

■衝撃吸収力にバラツキが出ないよう、国際各式のサーキットでは新品のタイヤが使われている

■クラッシュしてタイヤバリアを破損させてしまった場合は実費を請求される

フェンスへの直撃を防いでくれるタイヤバリア

 サーキットの安全施設のひとつにタイヤバリアがある。アクシデントでコースをはみ出したクルマが、コース脇で直接フェンスに激突しないように設けられた、衝撃吸収のための設備だ。

 古くはストローバリアといって、藁の束を四角い箱状にして積んだものが多用されていたが、なんといってもモノが藁である以上、引火しやすい性質があるので、1970年以降、タイヤバリアが主流になってきた歴史がある。

 現在のFIA国際モータースポーツ競技規則付則O項_日本語版の「タイヤバリア」の項には次のように書かれている。

「タイヤバリアは、堅固に既存構造物に固定され、確実に相互結束されていることを点検すること。タイヤは、設置前に、パイル状態に堅くボルト締結しておくこと」

 と、わりと大まかな規定でしかない。

 それゆえ、中古タイヤを集めて、色を塗って、ボルトで締結して並べているだけと思われているかもしれないが、鈴鹿サーキットやもてぎでは、新品タイヤでタイヤバリアを作っているとのこと!

 中古タイヤでは場所によって衝撃吸収力にバラツキが出てしまうのと、サイズを揃えて検品するのにかえってコストがかかるためだ。FSWでも新品タイヤを利用しているし、海外のサーキットでも、F1を開催するような国際格式サーキットのタイヤバリアは、新品を使っているところが多いようだ。

 一方、走行会がメインのミニサーキットなどでは、中古タイヤがスタンダード。

 つまり、同じタイヤバリアといっても、一律の規定があるわけでなく、サーキットごとに違いがあるのが実情だ。

 ちなみに走行会などでクラッシュして、タイヤバリアを破損させてしまった場合、実費を請求されるので要注意。前記のように、新品タイヤを使っている鈴鹿サーキットの場合だと、タイヤバリア交換が1組4万5500円。タイヤバリアの補修でも1組6200円となっている。

 国際格式のサーキットだと、いろいろな撮影にも使われるので、背景=タイヤバリアも劣化やキズが目立って見栄えが悪いといろいろ差し障りもあるわけで……。その反面、ミニサーキットなどではよほど派手にぶつけなければ、タイヤバリア代を請求されるケースは稀だったりする。

 できればお世話になりたくないタイヤバリアだが、そうした裏事情があることも覚えておこう。

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