
この記事をまとめると
■レクサスは国産車としては貴重な2ドアクーペ「RC」をラインアップする
■2014年に5リッターV8エンジン搭載のRC Fもあり11年間販売されていた
■ファイナルエディションという最終モデルが設定され2025年11月に生産を終了する
国産車では数少ないスポーティクーペ
レクサスRCは日本車として希少なプレミアムスポーツクーペだ。しかし、2025年1月、レクサスはRCとRC Fの生産終了を発表。2025年11月に生産が終了するという。ここではレクサスRCの歴史を駆け足で振り返ってみたい。
レクサスRCは2010年まで生産されていたSC(トヨタ名ソアラ)以後に登場した後輪駆動の”アバンギャルド”な4座クーペモデルだった。2013年11月の東京モーターショー、および2014年のデトロイトモーターショーでワールドプレミアされ、2014年10月に、RC、RC Fが世界同時発売されている。後述するが、RC Fとは、RCをベースにした高性能スポーツバージョンを差し、「F」は富士スピードウェイの頭文字に由来していることは周知のとおり。
デビュー当時のボディサイズは全長4705×全幅1850×全高1390mm。ホイールベース2730mm。車重1780〜1790kg。パワーユニットはRC350が2GR-FSE型、3.5リッターV6(318馬力・38.7kg-m+8Speed SPDS=電子制御8速AT)を搭載。HVのRC300hにはクラウン、レクサスGSなどに搭載される2AR-FSE型、2.5リッター直4+モーターシステム(出力220馬力+6速シーケンシャルシフト付き無段変速機)を搭載していた。
翌年の2015年9月には、エントリーモデルとして8AR-FTS型、2リッター直4ターボ(245馬力・35.7kg-m+8速AT)のRC200t(のちにRC300)を追加。使用燃料はRC300hのみレギュラーガソリン、それ以外はハイオクガソリン仕様であった。
RCをさらにアグレッシブに仕上げ、サーキット走行を視野に入れて開発され、専用のボディ補強、エンジン、足まわり、空力パーツを奢ったRC Fは、この時代には超希少、絶滅寸前の2UR-GSE型、5リッターV8(477馬力・54.0kg-m)を誇るパワーユニットを8Speed SPDS=電子制御8速ATとともに搭載。
タイヤはF:255/35ZR19、R:275/35R19という前後で異なるサイズが装着された。さらに、ボディサイズも全長・全幅を10mm拡大するとともに、全高は5mm低められている。もちろん、インテリアも「F」専用となり、ハイバックスポーツシートやF専用メーターなどが「F」の証となる。
2017年の一部改良では、全車にレクサスの予防安全パッケージ(Lexus Safety System+)を標準装備するとともに、ドライブモードに、ドライバーがパワートレイン、シャシーなどの制御を自由に組み合わせることが可能になるCUSTOMモードを追加。RC350はV6エンジンをアトキンソンサイクルの2GR-FKS型に換装。スペックの変更はほぼないものの、わずかな燃費向上が図られている(JC08モードで9.8km/Lから10.2km/Lへ)。RC200tがRC300に名称変更されたのもこのタイミングである。