
この記事をまとめると
■全日本ラリー選手権「ラリー北海道」とXCRスプリントカップ北海道・第4戦が開催された
■三菱デリカD:5ベースの競技車両「ジオランダーブラV・SFデリカD5」がデビューした
■ジオランダーブラV・SFデリカD:5はXC-1クラスで勝利を飾った
最低限の走行アイテムと安全装備でもラリーは楽しめる
全日本ラリー選手権・第6戦「ラリー北海道」が9月5〜7日、北海道帯広市を舞台に開催。同時にXCRスプリントカップ北海道の第4戦も開催され、マツダCX-60やスバル・フォレスターなどのニューマシンが国内ラリー競技にデビューしたが、もう1台、ニューマシンがXCRスプリントカップ北海道で競技デビューを果たした。
これまでランドクルーザーでXC-1クラスに参戦していたTEAM SODA’S FACTORY YHの惣田政樹選手/猿川 仁選手が、114号車「ジオランダーブラV・SFデリカD5」でXC-1クラスにエントリー。文字どおり、三菱デリカD:5ベースの競技車両で、国内ラリーにデビューしたのである。
「いままでずっとランドクルーザーで競技をやってきたんですけど、“みんなに競技に出てほしい”というコンセプトのもと、あえて現行モデルで競技をやらないし、年式の古い中古車両でも出場できますよ……ということをアピールしたくて、旧型のデリカD:5を選びました」と惣田選手は語る。
気になる改造ポイントについてもダンパーやタイヤ&ホイール、リフトアップキット、ロールケージ、バケットシート、ブレーキローター&ブレーキパッドといった程度で、「足まわりとブレーキなどの最低限の走行アイテムと安全装備を装着するだけで競技を楽しめますよ……ということを見せたくて、大幅な改造は行っていません。速く走りたい、タイムを出したい……という訳ではないので、ノーマルの延長でアップデートしています」と惣田選手は解説する。
その一方で、ドライビングフィールはなかなかハイレベルで、「本当に楽しいですね。旋回性能がよくて、コーナーでもよく曲がるし、ワダチの多い悪路での走破性も高いのでアクセルを踏むことができます」とのことだ。
旧型のデリカD:5をもつオーナーも多いだけに、ジオランダーブラV・SFデリカD5は注目の一台となっていたが、「帯広へ来る途中でDPF(ディーゼルパティキュレートフィルター)の調子が悪くなって、エンジンが吹けない状態です。ぜんぜん坂を登らない状態ですが、なんとかフィニッシュしたい」と惣田選手が語るように、トラブルを抱えながらのデビュー戦となったのである。
こうして不安を抱えながらスタートを切ったジオランダーブラV・SFデリカD5は、慎重な走りを披露。コースサイドから見ていても、明らかにパワー不足の状態だったが、それでも惣田選手/猿川選手がレグ1を総合67番手でフィニッシュしていた。
翌日のレグ2でもその症状は変わらず、惣田選手/猿川選手は我慢の走りを強いられたが、それでもジオランダーブラV・SFデリカD5は総合66位で完走を果たし、参加台数が少ないこともあって、XC-1クラスで勝利を飾った。
このように、トラブルを抱えながらも無事にフィニッシュを果たした惣田選手は、「クルマができたばかりで不具合もありましたが、なんとかゴールすることができました。引き続きXCRスプリントカップ北海道に参戦しますので、応援をよろしくお願いします」と語っているだけに、今後もデリカD:5は進化を続けていくに違いない。