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バリバリの若者がレトロな世界を再現! 日産自動車大学校の学生製作がおじさんにドンズバ【東京オートサロン2026】 (2/2ページ)

バリバリの若者がレトロな世界を再現! 日産自動車大学校の学生製作がおじさんにドンズバ【東京オートサロン2026】

この記事をまとめると

■東京オートサロン2026に日産自動車大学校がブース出展した

■3台の展示車両は「予算100万円+車検OK」の条件で技術力を試された

■企業から協賛を獲得するのためのプレゼンも学生たちが行い実践力も鍛えられている

制約があるからこそ育つ学生のスキル

 今回の東京オートサロン2026でも、多くのカスタムパーツメーカーに混じって自動車専門学校の展示が多くあり、個性的なカスタム車両の存在感で来場者の視線を集めていた。そのなかで注目したのが「日産自動車大学校」のブース。その名前のとおり、日産自動車が経営する自動車の学校で、今回は日産ブースに隣接する形で展示を行っていたのが印象的だった。

 今回の展示車両は3台ありました。全国に5校あるうちの、京都校と愛知校の2校が出展しているそうだ。
「日産自動車大学校」には3年制の学校と4年制の学校があり、京都校は4年制、愛知校は3年制とのこと。どちらも1〜2年で整備士の課程を学ぶのは共通だが、そのあと3年制では1年かけて板金塗装を、4年制では2年かけて板金塗装とともにカスタマイズを学ぶ、というようなカリキュラムの違いがあるようだ。

 それぞれの学校で毎年、生徒の卒業制作の発表をこの東京オートサロンの場で行っている。今まではてっきりその出来映えを見てもらうのが目的だと思っていたが、話を聞いてみると、それだけには留まらないようだ。まず、卒業制作を始めるにあたり、共同作業のグループを作り、方向性とプランを話しあって決める。製作にあたって学校側から提示されているルールは、「製作にかけられる予算は100万円まで」と「車検が通せて公道走行可能な状態を守る」という2点のみだ。

 3年制の愛知校は時間の制約もあってナンバー取得は行いませんが、4年制の京都校は製作した車両で車検を通して、公道走行で地域に成果をアピールするところがゴールなので、車両を見ると意外に感じるかもしれませんが、3台とも車検を通せる状態が守られているという。

 そして予算の100万円ですが、これも積み立てなどから支給されるのではなく、生徒たちが自力で集めるのが前提となっている。もちろん講師の側からアドバイスは行うが、地元の企業などに協力をお願いするプレゼンなども自分たちで考えて、協力をあおぐこともカリキュラムの一部となっているという。各車両のリヤウインドウなどに貼られた協賛のステッカーはその証だ。

 これからの時代は「技術職は裏方だから人前に出なくてもいい」ではやっていけないとして、自分の想いや考えを伝えるスキルも鍛えてほしいという考えなのだとか。そのため、このショー会場でも自分たちで説明とアピールを行い、監修していた先生からは、「初日は見るからにガチガチだったのが、場を踏むうちに自分から呼び止めて話すようになり、この短期間で成長を見ることが出来て嬉しい」と感想を語った。

 さて、そうして製作された3台の展示車両を見ていこう。まずは3年制の愛知校の生徒が製作した「Re30 スカイライン シルエット」で、ベースはHR30型のスカイライン・セダンだ。当時スーパーシルエットのレースを戦っていたDR30型の2ドアクーペ・ターボではなく、L20型エンジンを搭載する4ドアセダンを採用。

 これは学校で用意された80年代の日産車3台の候補のなかから、熱い想いをもったメンバーの意見で選ばれたとのことだが、セダンを選んだことは、製作過程にハードルとして後々効いてくる。名前に「Re」とあるのは、この製作の企画のターゲットに定めた50代のクルマ好きの人に、往年の名車の、輝かしい姿を“再び”届けたい、という意図が込められているとのこと。

 さて、コンセプトは定まりはしたが、古のレースカーを再現するにはデータが足りない。できる限りの資料を集めたうえで、神奈川県の座間にある日産の「ヘリテージコレクション」に足を運び、各部の採寸と写真撮影を行ってデータを作ったそうだ。

 この大胆な造形は、まず発泡ウレタン材で大まかな形を作ってからパテで成形していき、それをマスター型にしてFRPでパネルを製作するという方法を採用。苦労したのは、大幅に広げられた左右のフェンダーのつじつま合わせだそうで、前後のラインや左右で高さなどを揃える工程が難航したそうだ。

 こだわったのは4ドアセダンならではのリヤドアの開閉を残した点。ノーマルから10cm以上張り出した面をうまくやり繰りしながら、問題なく開閉できるような仕上げとなった。

 また、ボディは象徴的な赤と黒のツートンに塗られていて見事な出来映えだが、よく見るとラメがちりばめられている。ラメの粒子が大きいので、それを面一に仕上げるために、仕上げのクリアを何層も重ねて磨くという手間が掛かっているのだ。

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