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「あの時買っておけば」「MTがあれば買うのに」……旧車マニアが「たわごと」を発する心理とは (1/2ページ)

「あの時買っておけば」「MTがあれば買うのに」……旧車マニアが「たわごと」を発する心理とは

この記事をまとめると

■旧車乗り特有の頻出フレーズを分析

■後悔や自負など複雑な心理が混在する

■合理性より感情が価値判断を左右しているといえる

旧車好きの定型フレーズに隠れた心理

 クルマ好き、とくに旧車的なクルマを愛する人々の会話には、ある種の定型文または定型フレーズが存在する。それはもはや挨拶に近いものから、過去の自分への懺悔、さらにはメーカーへの無茶な要求まで多岐にわたるが、共通しているのは「最新のクルマに対する複雑な感情」だ。

 今回は、旧車界隈でしばしば耳にするフレーズをピックアップし、彼らがどんなシーンで、どんな思いを込めてそれを放っているのかを解剖してみたい。

「あのとき無理してでも買っておけばよかった」

 中古車相場が高騰している昨今、頻繁に、そして深い溜息とともに漏らされるのがこの言葉だ。

 R34 GT-Rが2000万円を超え、かつては「20万円ぐらいで買える練習機」だったS13シルビアが400万円超のプライスで掲載されている中古車情報サイトを見たとき、あるいは自分が過去に手放したクルマが、いまの買い取り相場では当時の3倍ほどになっていると知ったときなどに、このフレーズは発せられる。

 このフレーズの主成分はもちろん「後悔」ではあるものの、一種の「選球眼自慢」も含まれている。「俺は相場が上がる前から、あのクルマのよさに気づいていた(買わなかった・維持できなかっただけだ)」というプライドの裏返しである。タイムマシンで当時に戻れたとしても、当時の自分にはそれを維持し続ける金はなかったはずなのだが、記憶は、都合よく書き換えられている場合が多い。

「結局あのころのクルマがいちばん楽しかったよね」

 最新モデルに試乗したり、メディアで最新モデルの試乗記事を読んだり、あるいはトラブル続きの愛車をなんとか修理して、走り出した直後などに語られることが多いフレーズだ。現代のクルマはあまりに優秀すぎて「運転している」というよりは「移動させられている」感覚に陥ることがある。それに対するアンチテーゼなわけだが、このフレーズを使うとき、彼らは不便さを「味」と呼び、故障を「コミュニケーション」と呼ぶ。客観的に見ればマイナスといえる側面でも、彼らのフィルターを通せば「何らかのよきモノ」に変換されるのである。

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