
この記事をまとめると
■ホンダ Super-ONEの販売がスタートした
■コンセプトは「e:Dash BOOSTER」だ
■発表会ではタレントの若槻千夏さんも絶賛した
ついに正式販売スタート!
2025年に開催されたジャパンモビリティショーのホンダブースに用意されたお立ち台に、とあるクルマが置かれており、これが正面ステージ上に飾られていた、いまとなっては幻のEV「Honda 0シリーズ」よりも大きな注目を集めていた。そう。「Super-ONE PROTOTYPE」である。
このとき、「販売予定ですが詳細はお待ちあれ」といった具合で、ディテールは伏されていたが、有識者はすぐに「N-ONE e:(すでに販売中の軽EV)をベースにしたホットハッチ」だと推察。その特徴的なブリスターフェンダーから、メディアでは「令和版ブルドッグだ!」とも喩えられていた。ブルドッグとは、1983年にデビューした初代シティにターボエンジンを搭載したホットモデル、シティターボ II の俗称である。
そんな令和版ブルドッグことSuper-ONEだが、その後このクルマは本当に販売されることになり、2026年年初には、関係者へ向けた試乗会などが密かに開催され、「これは面白い!」と大好評。4月10日から先行予約も全国のホンダディーラーで受け付けていた。
そして来る5月22日、ついにSuper-ONEは正式販売となった。その記念すべき日に先駆け、都内ではSuper-ONEの発表会を開催。スペシャルゲストも駆けつけた。その模様をお届けしよう。
まずこのSuper-ONE、いかにもホンダらしい挑戦的でアイコニックな存在なのは見てのとおり。ホンダのEV販売戦略は「日本の人たちが慣れ親しんだ軽自動車に、EVならではのクリーンで静粛性の高い性能を加えて、軽からEVを拡充していきたい」としている。N-VAN e:やN-ONE e:が先にリリースされたのにもそういった背景がある。
そのうちのN-ONE e:をベースに開発されたのが、このSuper-ONEというわけだ。
「日常で刺激的な走りを提供し、普段の買い物からドライブまでを楽しめるクルマを……それがSuper-ONEです。『欲しい!』と思ってもらえるクルマになるように作りました」とは、ホンダで統合地域本部の日本統括部長を務める川坂英生さん。
「このクルマはただアイコニックな見た目で走りが楽しいわけではなく、アウトドアや非常時に使える1500Wまで対応したコンセントや、Google搭載のインフォテインメントシステム、老舗オーディオブランドのBOSEと共同開発したスピーカーを搭載しているほか、ホンダが今後、全国で拡充していく予定の充電サービス、Honda chargeによるインフラ面も整え、多方面で楽しんでいただけるクルマとしています」と語る。
ホンダでは「メイカイ」「ユカイ」「ツウカイ」という3つの柱を立てており、「日常で乗ってて楽しく刺激的で、FUNになる……」それがこのSuper-ONEの目指したところだという。グランドコンセプトは「e:Dash BOOSTER」としている。配布されたプレゼン資料の端っこには、「キモチタカブル」とのひと言も添えられていた。
続けて登壇したのは本田技術研究所の堀田英智さん。堀田さんは、「我々が作りたかったクルマを形にしました」とし、「EV=ただ環境にいいだけではダメで、運転が楽しくて、音響がよくて好きな音楽を高音質で楽しめて……そういった”FUN”で楽しさを追求したクルマに仕立てました」とこのSuper-ONEの開発を振り返った。
飛び道具であるBOOSTモードは”FUN”を象徴する部分で、47kWの出力を70kWに引き上げるだけでなく、実際にギヤはないのだが、まるで有段シフトがあるかのようなシフト操作、ギヤを変えないとレブに当たるギミックまで備えている。
気になるベースとなったN-ONE e:からの変更点だが、こちらは見た目ほど変わっていないという。例えば、エクステリアやインテリアのシート、BOSEのスピーカー、各種制御以外はそのまま流用している。ただし、足まわりはワイドトレッド化するにあたりアルミ製鍛造ロアアームを採用したり、BOOSTモード採用の関係でバッテリーの冷却性能を強化。ボディ剛性も上がっているという。気になる車重は、EVでありながらたった1090kgだ。ただし、N-ONE e:がベースなだけで軽自動車登録はできないので注意されたし。
ちなみにこのクルマ、勝手に「若者向け」と筆者は思っていたのだが、じつはメインターゲットは50代男性なんだという。背景にはブルドッグを知っている世代に懐かしんでもらいたいからとのこと。もちろん、ブルドッグことシティターボ II のフィロソフィもしっかり受け継いでいる。しかし一方で、サブターゲットには20代の若者も含まれており、形やスペックを気に入って買う人はもちろん、昭和や平成ブームである昨今の若者にも「新しくてエモい」と思ってもらえるようなキャラクターに、このSuper-ONEは仕上がっている。
なお、このSuper-ONE、海外でも2026年中に販売予定とのことで、すでに海外からも大きな注目を集めているそう。欧州やアジアでの販売を予定しており、これらのエリアは日本よりはるかにEVシフトが進んでいるので、確実に受け入れられるはずだ。ホンダとしても、2030年度に全体の新車販売のうち8%をEVにしたいと考えているので、その起爆剤にもきっとなるはずだ。
