
この記事をまとめると
■WRC第7戦「ラリー・ジャパン」が5月28日〜31日、愛知県・岐阜県を舞台に開催
■「ランチア・イプシロンRall2 HFインテグラーレ」が日本に初上陸した
■イプシロンを操るグリアジン選手がラリー・ジャパンで2度目の優勝を飾った
話題のラリーカーが日本上陸
WRC(世界ラリー選手権)第7戦「ラリー・ジャパン」が5月28日〜31日、愛知県・岐阜県を舞台に開催。今年もデイ1から激しいバトルが展開され、既報のとおり、TOYOTA GAZOO RACING WRTでGRヤリスRally1を駆るエルフィン・エバンス選手がシーズン2勝目を獲得したのだが、その背後では下位カテゴリーであるWRC2において激しいタイム争いが展開されていた。
なかでも、注目を集めていたのが、日本初上陸のマシン「ランチア・イプシロンRall2 HFインテグラーレ」だといえるだろう。
同モデルは文字どおり、イプシロンをベースに開発されたRally2仕様車で、2025年11月に正式発表され、2026年の第1戦・モナコでWRCにデビュー。マシンを託されたのはヨアン・ロッセル選手(フランス)、ニコライ・グリアジン選手(ブルガリア)といったWRC2の強豪で、デビューウインこそ果たせなかったが、両ドライバーでベストタイムを連発していた。
そのあともイプシロンを駆る両雄は猛威を発揮し、ラッセル選手が第4戦のクロアチアで初優勝を獲得すると、勢いに乗ったラッセル選手は第5戦のスペインで2連勝を達成するなど、デビューイヤーから抜群のパフォーマンスを発揮した。
ご存じのとおり、ランチアはWRCで過去に11回のタイトルを獲得した名門であり、30年ぶりのWRC復帰に多くのファンが期待を寄せるなか、イプシロンはWRC2で素晴らしい走りを披露している。そんな話題を集めるイプシロンは日本初上陸となったラリー・ジャパンでも注目の存在で、数多くのファンがスペシャルステージやサービスパーク、リエゾンで声援を送っていた。
残念ながらラリー・ジャパンは欧州圏外のイベントということもあって、今大会に参戦したのは1台だけだったが、ドライバーには2024年のラリー・ジャパンで、頭文字Dでお馴染みの「藤原とうふ店」カラーのシトロエンC2を武器にWRC2を制した実績をもつグリアジン選手を起用。まさに日本の林道を攻略したスペシャリストで、「昨年までの秋開催と違って、今年のラリー・ジャパンは初夏の開催になったので、気温も路面温度も高い。でも、路面状況としては滑りやすいところが多いので、そこは注意が必要だ」とグリアジン選手は語る。
さらにイプシロンは同じステランティス・グループのシトロエンC3をベースに開発され、長年に渡ってシトロエンのサテライトチームとして活躍してきた、PHスポールがラリーオペレーションおよびメンテナンスを担当。まさにC3で培った経験をコンパクトなボディに注ぎ込んだマシンで、グリアジン選手は「クロアチアやスペインで証明したように、イプシロンはターマックで速い。とくにハンドリングがシャープで、C3とは違うレベルにある。ラリー・ジャパンでもミスをしなければ、上位をキープできるだろう」と手応えを語る。
事実、グリアジン選手は2026年のラリー・ジャパンでも好タイムを連発。トヨタGRヤリスRally2を駆るアレハンドロ・カション選手と激しいトップ争いを展開するものの、ファンの期待に応えるかのようにグリアジン選手は計9回のSS WINを獲得し、イプシロンでの初優勝、そして、ラリー・ジャパンで自身2勝目を獲得した。
「グラベルで優勝するには、いくつか課題があるので、まだ時間がかかると思う」とグリアジン選手は語るものの、イプシロンは高い戦闘力を持つだけに、名門ランチアの復活を果たす原動力として、ラリー・ジャパン以降も同モデルの動向に注目したい。
