
この記事をまとめると
■クルマのタイヤは基本的に前後同サイズのものが使われる
■一部モデルでは車両のバランスを考えて前後で異径サイズのタイヤを採用する
■性能はもちろんだが視覚的な効果も考えてセッティングされている
タイヤサイズが前後で異なるクルマの目的とは?
⚫︎ホンダ S660:フロント 165/55R15 リヤ 195/45R16
⚫︎ホンダ NSX(初代):フロント 205/50ZR15 リヤ 225/50ZR16
⚫︎フェラーリ・エンツォ フェラーリ:フロント 245/35ZR19 リヤ 345/35ZR19
⚫︎フェラーリ・ラ・フェラーリ:フロント 265/30R19 リヤ 345/30R20
⚫︎ロータス・エリーゼ:フロント 175/55R16 リヤ 225/45R17
⚫︎ポルシェ 911(992型):フロント:245/35R20 リヤ 305/30R21
⚫︎ランボルギーニ・アヴェンタドール:フロント 255/30ZR20 リヤ 355/25ZR21
世のなかの大半のクルマは4輪とも同じサイズのタイヤを履いているが、上記で挙げた例のように前後で異サイズ(異径または異幅)でリヤのほうが大きいタイヤを履くクルマも少なからず存在する。
リヤタイヤのサイズが大きくなる場合、タイヤの幅が異なる「前後異幅」とタイヤの径が異なる「前後異径」という2つがあるが、どちらもいうまでもなく目的はグリップ力の向上だ。高性能なスポーツカーにこの手のセッティングが多いが、それだけではなく、セダンやSUVの一部でも見受けられる。
前後異サイズのタイヤを履く理由は、駆動方式やパワーに合わせたトラクションの確保、ハンドリング性能の向上、あるいはスタイリングの追求が主な目的だ。
車種としては、後輪駆動車もしくはリヤの駆動力配分が大きい4WD車で、ミッドシップやRRなどエンジンのような重量物を車体の後方に積んでいるクルマが多い。FR車でもパワーが非常に大きい場合に該当する。いずれにしても、リヤタイヤに大きな負荷がかかるクルマたちが、この傾向にある。
ミッドシップやRRの場合は、パワーの大小以前に、リヤに重量物であるエンジンを搭載しているので、コーナリング時にはリヤタイヤにフロントタイヤよりも大きな負荷がかかる。その場合にタイヤが簡単に横滑りしてオーバーステアになることのないよう、フロントよりもキャパシティの大きなタイヤを履かせる必要がある。
もしフロントと同じサイズのタイヤを履いていたら、リヤが先にスライドしはじめてコーナーでスピンしやすくなってしまうからだ。
たとえば比較的な身近なホンダS660では、パワーは軽自動車なのでたいしたことはないが、前後重量配分が45:55となっていることにあわせて、タイヤサイズがこのような設定になっている。ハイパワー車の場合は、駆動方式を問わずリヤに太いタイヤを履かせることが多い。それはもちろんトラクションの確保のため。駆動力をしっかり路面に伝えるためだ。
