この記事をまとめると
■4WDのクルマはタイヤサイズを前後で統一する必要がある
■メカニズム的に4輪すべてに同じ駆動力が伝わるためサイズを変えると機械に負担が掛かる
■前後の駆動力配分を変えられるような4WDであればタイヤサイズが変わっても問題ない
なぜ4WDはタイヤサイズを揃える必要がある?
4WDのクルマを取り扱う上で、「4輪のサイズを統一しなければならない(4輪のサイズを変えてはいけない)」、という注意事項を目にしたことはないだろうか。正確にいえば、4輪のタイヤ外径(高さ=ハイト)を揃えなければいけない、と解釈すべきだろうか。
なぜこうしたことを守らなければならないのか、4WDの基本から考えてみよう。4WDは、1カ所からの出力(エンジン出力)をトランスファーによって前後に分配する。さらに前後それぞれの伝達出力はディファレンシャルギヤによって左右に分配され、最終的には前後左右4つのタイヤに駆動力が伝えられることになる。
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逆の見方をすれば、前後左右4本のタイヤはすべて同一の出力源(エンジン)とつながっているわけで、クランクシャフトが1回転すれば、4本のタイヤは、すべて駆動系の減速比を経て、同一の回転をすることになる。
さて、問題はここからで、4本のタイヤに同じ回転数が伝えられた状態で、たとえば前後タイヤの外径が異なると、前後でタイヤの進む距離が違ってしまう。ひとつの例だが、前205/50-15と後225/50-16のタイヤを組み合わせて使うと、前輪の外径は586mm(=円周は1840mm)、後輪の外径は631.4mm(円周は1983mm)となる。結果として、アクスルシャフト1回転につき前後で143mmの進行距離差(後ろが多い)が生じることになる。
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これが路面μ10%といった超低μ路で、タイヤが簡単に空転する状態だったら問題(機械的にという意味で)はない。しかし、ドライ舗装路でタイヤがしっかりと路面をグリップしているような場合には、回転数の少ない前輪側の駆動系に無理な力が長い期間にわたって加わることになり、結果、駆動系を壊してしまうことになる。もちろん、走行安定性についても問題が発生することになる。
4WDのクルマのタイヤを選ぶ場合には、まず4輪の外径を揃えること。簡単にいってしまえば、4輪を同一の銘柄、サイズで揃える、ということである。これが、たとえば乗用4WDで前後駆動力配分の異なる設定のクルマであれば、やはり4本のタイヤ外径は揃えるべきだが、前後でタイヤ幅を変えることも可能だ。
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たとえば205/55-16(外径632mm)と225/50-16(外径631.4mm)といったような例だ。前輪の応答性をよくしながら、後輪主体の駆動力配分をもつFRベースの4WD(とくに可変駆動力配分の日産アテーサE-TS)では有効なタイヤ選択といえるかもしれない。
出力源がひとつ(要するにひとつのエンジン出力のみ)の場合は、4輪のタイヤサイズを揃えることは鉄則といえる。しかし、そうではない場合、たとえばランボルギーニのように後輪はエンジン出力、前輪は電気モーターというように、駆動源が前後で独立している場合は事情が異なってくる。
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むしろ、前輪の駆動源が電気モーターとなることで、重厚長大になりがちな4WDの駆動システムを必要としない。瞬時に正確な駆動力伝達が可能な電気モーターを前輪の駆動システムに用いることで、理想に近い4WDの駆動システムを作り上げることが可能となる。
スーパーカーでの性能実践が、じつはどんなものであるかは体験しにくいが、モーターレーシングの世界では、ハイブリッド方式を取り入れたル・マン・プロトの分野で、トヨタTS050が見せた内燃機関/電気モーターの複合動力システムの底力はすでに実証済み。
内燃機関(ガソリン/ディーゼル)を使う4WDのクルマの場合、前後左右4本のタイヤはすべて同一サイズ、できれば同一銘柄で揃えたい。いうまでもなく、4本のタイヤ規格、性能は同一に保っておきたいからだ。
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