ジムニーやカングーでお馴染みの「鉄チンホイール」。なぜ17インチ以上の大径サイズが存在しないのか? (1/2ページ)

この記事をまとめると

■スチールホイールも15インチ程度であれば純正アルミホイールと比較して重量に差がない

■16インチを超えるとアルミホイールの軽さが際立ち鉄ホイールもほぼ存在しなくなる

■大径スチールホイールはニーズがないためにトラック用以外は作られない

大径スチールホイールがない理由

 乗用車の足もとを支えるホイールは、スチール製とアルミ製に大別できる。乗用車のホイールは大径になるほどアルミ製となることが多い。乗用車用スチールホイールといえば、ルノー・カングーやスズキ・ジムニーあたりが履いている16インチサイズが上限となっている(ごく一部の車種では17インチも存在)。

 はたして、大径スチールホイールを作ることは技術的に不可能なのだろうか。

 否、トラックを見ればわかるように、19.5インチといった”デカい鉄チンホイール”が存在している。つまり大径スチールホイールを作る技術や設備は存在している。なぜ乗用車用には17インチ以上のスチールホイールを見かけることはないのだろうか?

じつは15インチ以下ならスチールホイールも十分に軽い

 さて、スチールホイールとアルミホイールの違いといえば重量を思い浮かべる人が多いだろう。たしかに、鉄とアルミの比重は大きく違う。具体的には、鉄(スチール)の比重は約7.8、アルミニウムの比重は約2.7となり、単純に鉄とアルミを比べると、後者は3分の1程度と圧倒的に軽い素材だ。

 しかし、「アルミ=軽くて正義」という認識は、少なくとも純正装着されているホイールにおいては過大評価といえる面もある。一定の速度以下であれば縁石などに当たっても割れない強度が求められる純正アルミホイールは、安全マージンを確保するため肉厚な設計にならざるを得ない。一方、スチールの頑丈という特性は、薄肉設計を可能にする。

 結果として15インチクラスであれば、スチールホイールが7.5〜8.0kg、アルミホイールは8.0〜8.5kg程度と、ホイール単体の重量は拮抗することが多い。

 もちろん、鍛造製法のアルミホイールであれば、小径サイズでもスチールホイールより圧倒的に軽く作ることが可能なのはいうまでもないが、そのサイズを履くようなコンパクトカーではアルミホイールのコストが高くなりすぎる。

 16インチ以下であれば、コンパクトカーやベーシックグレードがスチールホイールを採用するのは理に適っている。


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山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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