
この記事をまとめると
■日本では連日豪雨が続いており各地で被害が出ている
■最近人気のSUVであれば冠水した道でも不動になる可能性が低い
■災害のことを考慮してのクルマ選びも今後は必要になってくるかもしれない
災害対策にSUVを選ぶ時代
2026年7月17日(金)夕方から18日(土)未明にかけ、群馬県や栃木県で予報を大幅に上まわる、記録的な大雨が降り各地に甚大な被害を及ぼした。そしてつい先日となる8月13日から14日にかけて、千葉県では線状降水帯の発生などにより、死者が多数出るという災害級の被害に見舞われた。
2026年7月20日(月)に気象庁は関東甲信・東海地域が梅雨明けしたとみられると発表した。この発表を受けてではないものの、関東地域にある筆者の居住地域も連日最高気温が39度となる酷暑が続いている。日本でも本格的に酷暑の夏が始まったわけだが、これは同時に日本のどこでも前述した群馬や栃木、さらには東京に近い千葉県のように、記録的な大雨による甚大な被害が起こりうる状態に入ったといってもいいだろう。
集中豪雨や台風による被害報道では、冠水路において不動車となったクルマが被害の象徴のひとつとしてクローズアップされることが多い。いわゆる水没車となったクルマを見ていると、最低地上高がとくに低いスポーツクーペや、一般的な乗用車が目立っている。筆者が見ている限りクロスオーバーSUVはほとんど見かけないのは、やはり腰高スタイルで冠水路走行でも限界(不動車になる)点が高いことを改めて見せつけられているからだと考えている。
降雪地域の人から見れば笑われるぐらいの積雪量で、東京および隣接県は鉄道や道路が大パニックとなる。あるとき、東京および隣接県では大雪と呼ばれるレベルの雪が降ったときに、乗っていた鉄道が途中で運休となり、そこからタクシーで帰ろうと長い列に並んでいると、トヨタ・ランドクルーザーが何ごともなかったように積雪路を走り去っていった(当然冬用タイヤを装着していたようだが)。冠水とは縁のない話だが、「SUVはつぶしがきくなあ」と思ったことは、いまも忘れられない。
少し前に高市首相の公用車がそれまでのトヨタ・センチュリー(セダン)から、SUVスタイルのセンチュリー(通称:センチュリーSUV)となったことが話題となった。セダンスタイルのセンチュリーがあるなか、あえてセンチュリーSUVに変わったことにはさまざまな憶測があるものの、最近日本でも道路が冠水するほどの大雨被害は当たり前なので、あえて走破性の高い腰高なセンチュリーSUVが選ばれたのではないかと、筆者は勝手に考えている。
世界的にはVIPがセンチュリーSUVのような大型上級SUVを移動用車両として選ぶことは珍しくない。トヨタ・ランドクルーザーもその一例といっていいだろう。あらゆるシチュエーションでの走破性を考えればSUVという選択になるのかもしれない。アメリカ大統領専用車もセダン風に見えるが、GMCのトラックシャシーベースでセダンスタイルを採用しているともいわれている。
世界的にクロスオーバーSUVが人気となって久しい。腰高で見晴らしがいいなど人気の理由はさまざまであるが、集中豪雨や台風被害などによる冠水被害が日本より珍しくない東南アジアでは、最低地上高が高く、ちょっとした道路冠水ならなんなく走れることも、選択されることが増えた理由とも聞いている。
自販連(日本自動車販売協会連合会)の統計をもとにした、2026年1月から6月の累計乗用車販売台数におけるSUVの販売比率は約32%となっている。もちろん、そのスタイルが気に入ったり、自分のクルマの使い方などを考慮したり、そして選択肢が多いこともあり選ぶ人が大半であろうが、なかには道路冠水時でも……などと考えて選ぶ人も、じつは日本でも意外なほど多いようで、SUV人気が日本でも高まっている背景のひとつかもしれない。
ちなみに、過去にはSUVというモデルではAWDを選ぶのが日本では当たり前であったし、販売現場でも2WDとAWDが選択できれば、AWDは「ないよりあったほうが……」的なアプローチで販売していたが、最近では駆動方式について聞くと、「2WDを選ばれるお客様も多いですよ」となっており、クロスオーバーSUVが広く支持されていることを感じさせてくれている。
