この記事をまとめると
■トヨタ・ランドクルーザーFJに公道と悪路で試乗することができた
■街なかでも扱いやすいサイズな一方で悪路での野性味あふれるオフローダー要素を併せもつ
■250・300・70と比較試乗することでFJの立ち位置がわかった
ようやく乗れたFJは思った以上のオフローダーだった
予約開始時点で注文が殺到し、今年5月の発売時には受注を停止。予想どおりの加熱っぷりとなったランドクルーザー「FJ」の試乗会が、ようやく開催された。
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その舞台となったのは、ランクルの開発現場にもなっている「さなげアドベンチャーフィールド」。しかも当日はランドクルーザーシリーズの現行フルラインアップでの比較試乗が行われ、FJのキャラクターをしっかりと確認することができた。
ここで筆者が一番最初にみなさんにお伝えしたいのは、このFJが単なる「小さくて可愛いランクル」ではないということだ。
その名に付けられた“FJ”は、”Freedom & JOY(フリーダム・アンド・ジョイ)”を意味している。だから「FJ」とだけ聞くと、FJ40型のオマージュとして2006年に登場した「FJクルーザー」を思い出す。しかし、その乗り味は北米市場に向けて発売されたFJクルーザーのようにラグジュアリー志向ではなく、質実剛健。むしろその中身まで先祖返りしたかのような、野性味溢れる小型オフローダーである。
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その基盤となるのは、「IMV」と呼ばれるプラットフォームだ。
これは社内的に「F3」と呼ばれるプラットフォームで、ハイラックスで使われるものがベースとなっている。具体的にはラダーフレーム後半の長さを作り替えることで、ハイラックスのSUV版「フォーチュナー」や、このランドクルーザーFJとの作りわけが行われる。
サスペンション形式は、フロントがダブルウイッシュボーンで、リヤが4リンク式リジッドアクスル+コイル。パワーユニットはランクル250とまったく同じ、自然吸気の2.7リッター直列4気筒(163馬力/246Nm)を搭載。トランスミッションもトルコン式6速ATに、副変速機の組み合わせだ。対して駆動方式は、ハイラックスと同じパートタイム4WDとなっている。
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ランクル250でややパワー不足が指摘されているエンジンは、車重が280kgも軽いFJだと少し印象が変わる。パワフルとまではいわないが、アクセルの踏み始めからトルクの付きがよく、いったん初速を付けてしまえばタイヤをうまく転がしながら、ときおりアクセルペダルを踏んであげるだけで快適に街なかを走ってくれる。ちなみに燃料はレギュラーで、その燃費は一般道から高速道路を往復20kmほど走らせただけだが、7km/L後半だった。
高速道路でも、この要領でクルージングが可能だ。合流や追い越し加速ではアクセルペダルを少し深めに踏み込むが、NAエンジンの吹き上がりはスカッと心地いい。
8速ATのギヤ比はランクル250と同じで、ファイナルはハイギヤード。ただし60扁平のタイヤは外径が小さくなるから、トータルのギヤリングはさほど変わらない。つまり、レスポンスのよさは車重の軽さとエンジン制御の変更で得られているという。オフローダーとしてはスロットルはやや早開き傾向だが、乗用するには快活でよいと筆者は感じた。
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ランクルFJで何より面白いのは、これを受け止めるシャシーだ。
端的にいって、そのステアリングはどっしり重ため。見た目の可愛らしさから即買いして、驚かされた人もいるはずだ。同じプラットフォームを使うハイラックスは、新型となって電動パワステを採用した。しかしランクルFJは、いまだに油圧式なのである。
これをラック&ピニオンのステアリングに組み合わせたハンドリングは、オフローダーとしてはかなり正確だ。
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ランクル250より15mm高い全高、35mm高い最低地上高を支える足まわりは、剛性が高い印象。しかし、フロントダンパーの圧縮側を緩めに取ることで、乗り心地を出しつつ、ハンドリングも過敏にならないようにうまくセットしている。だからカーブでは見た目の割にロールが少なく、思った以上に曲がってくれる。