
この記事をまとめると
■無人運転タクシーの交通違反をめぐり海外で新たなルールが整備された
■背景にはタクシー運転士による犯罪リスクなど日本とは異なる事情がある
■日本での普及には無人運転技術だけでなく通信環境も課題になりそうだ
警察も困惑したロボタクシー取り締まり
アメリカや中国など海外ではすでに営業運行を開始して久しい無人運転タクシー。アメリカでは”ロボタクシー”と表現されているようである。このロボタクシーは人間が運転しない完全無人自動運転となっているのだが、ちょくちょく交通違反を犯すことがいままでも問題視されていた。「Uターン禁止区間でUターンした」、「スクールバスが生徒の乗降のため停車しているところを追い抜いた(アメリカでは違反行為)」などなどである。
違反行為を現認して停車させた警察官が当該車両をのぞき込むとドライバーがいなくて困惑(警察の停止命令には従うようだ)していた。なぜ困惑するかというと、違反行為を現認してもドライバーはいないし、そもそもロボタクシーへの交通違反取締りに関するルールがなかったのである。そのため警察としては当該違反行為があったことを、ロボタクシーを運行する企業へ違反事実の連絡し、プログラムの更新を頼むぐらいであったとのことだ。
そのようななか、カリフォルニア州では新法を施行し(AB-1777/カリフォルニア州議会法案1777)、ロボタクシーの取り締まりができるようになった。新法ではロボタクシーが違反行為を行った場合、そのロボタクシーをオペレーションしている企業に対し違反切符を切ることができるようになったのである。
そもそも海外では、日本のようにタクシー運転士の深刻な働き手不足が常態化しているわけでもない。それでもロボタクシー普及に熱心なのは、日本と異なりタクシーは“危ない乗りもの”として周知されていることが多いためだ。つまり、タクシーを利用すると運転士が加害者となる犯罪に巻き込まれるリスクが高いのである。
スマホアプリを介したマッチングとなり、きちんと乗車記録が残るとして「タクシーより安全」という側面でも海外ではライドシェアが普及しているのだが、結果的に人間が運転しているのはタクシーと変わらないので、ドライバーが加害者となる犯罪に遭うリスクが多少少ない程度になっているとも聞いている。つまり、人間が運転している限りは犯罪に遭うリスクが高いままなので、それがタクシーを無人運行させようというパワーの源のひとつとなっているようなのである。
