
※本記事は雑誌「CARトップ2023年7月号」の記事を再構成して掲載しています
知らず知らずに狂うホイールバランス
タイヤを買い替える際、ショップの工賃には「バランス取りを含む」とあるのがほとんど。ホイールに組み付ける場合、バランス取りは必須の作業だ。
そもそもホイールバランスとは、タイヤとホイールにかかる遠心力のバランスのこと。タイヤもホイールもキレイな円形に見えるが、真円ではなく重心が偏っている。走行で高速回転すると振動が発生するため、バランスウエイトを付けて重心が中心になるよう調整している。アルミホイールの内側にウエイトがズラ〜ッと貼ってあるのを見たことがある人もいるはずだ。
金属製のホイールは、コストをかけて精度を追求すれば真円形状がつくれるかもしれない。しかし、変形しやすいゴム製のタイヤは不可能。だったらホイールもバランス取りを前提とした精度で生産し、タイヤを組み込んだ状態でバランス取りするのが、すべての面でもっとも合理的なのだ。
とはいえ、タイヤを買い替えたときに一度調整すればOK、というわけでは必ずしもない。そういう場合ももちろんあるが、タイヤの交換は必要なくてもバランスを取り直したほうがいいケースはある。
もっとも多いのはバランスウエイトの脱落だ。アルミホイールは内側にペタッと貼り付けるタイプが主流。ウエイトの片面に両面テープが付いていて接着力はもちろん強力だが、走行中の振動などによってはがれてしまうことがある。
タイヤやホイールを縁石などに強くヒットしたり擦ったりしても、バランスが崩れることがある。また、走ればタイヤは減るもの。その具合によってバランスが少しずつ変化し、崩れてしまうこともあるのだ。
サスペンションも傷めるタイヤ&ホイールの振動
ホイールバランスの異状は振動になって現れる。重心の偏ったものが高速回転すれば、偏心モーターのようにブルブル、ガタガタするのは当然だ。
前輪のホイールバランスが狂ってしまうと、ステアリングに明らかな振動やブレが伝わる。車速が高くなるにつれて強くなり、ステアリングを握っていると不快だ。高速走行では真っ直ぐ走ることがおぼつかなくなることもある。
後輪が狂っても、走行中に発生した振動は運転の弊害になる。症状がひどくなるとボディまで伝わり、ドライブを楽しむどころではなくなってしまう。
重心が偏った状態で路面に接地し続ければ、タイヤが偏摩耗する原因にもなる。偏摩耗の弊害はアライメントで触れたとおり。タイヤの異常振動を放っておくと、サスペンションまでダメージが及ぶおそれも。
ホイールバランスをなるべく最適に保つには、まずタイヤとホイールのマッチングが大切だ。ホイールを購入するならタイヤのサイズや性能にシッカリ合った商品を選びたい。
アルミホイールならバランスウエイトはやはり貼り付けタイプがいい。打ち込みタイプは外側に装着するとウエイト量が少なくてすむが、見栄えはイマイチ。装着が難しいデザインのホイールも増えている。
純正以外のホイールで、ホイールバランスに問題がないのに振動が出る場合は、ホイールとハブの隙間が原因かもしれない。その場合、隙間を埋めるハブフィットカラー(ハブリング)で解決することも多い。
振動が気にならなければ神経質になる必要はないが、タイヤの状態にはつねに気を配りたい。1カ月に一度の空気圧チェックは基本中の基本だ。
※本記事は雑誌「CARトップ2023年7月号」の記事を再構成して掲載しています
