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ダイハツ・タント登場で戦国時代突入! ホンダN-BOX/スズキ・スペーシアとの使い勝手7番勝負 (1/2ページ)

ダイハツ・タント登場で戦国時代突入! ホンダN-BOX/スズキ・スペーシアとの使い勝手7番勝負

登録車も含めた販売ランキングTOP5のうちにこの3台が入る

 国内の新車販売台数のランキングがすごいことになっている。

 2019年7月の国内新車販売台数で圧倒的にトップに立ったのが、1-6月期同様のホンダN-BOX! そして2位が日産デイズ、3位ダイハツ・タント、4位にトヨタ・プリウスをはさみ、5位にスズキ・スペーシア。なんと売れているクルマの上位4台中、3台が軽自動車。しかもN-BOX、タント、スペーシアはスーパーハイト系軽自動車なのである。

 最新のスーパーハイト系軽自動車はその大型セダンをもしのぐ広大な室内空間、両側スライドドアによる、子育て世代、老若男女を問わない乗降性の良さ、シートアレンジ性の良さ、そして下手なコンパクトカー真っ青の走行性能が売りだ。そのキャラクターは2列シートのプチバンとも呼べるもので、ダウンサイザー、ミニバンからのダウンサイジングにもぴったり。

 ここでは、売れに売れている最新のタント、N-BOX、スペーシアの3台の最大の選択ポイントとなる、使い勝手にフォーカスを当て、徹底比較してみた。

1)乗降性

 新型タントは例によって、クラス唯一の助手席側Bピラーレス、ミラクルオープンドアを採用している。ゆえに絶対的に乗降性に優れているはず……なのだが、それには条件がある。スライドドア開口部の寸法は、タントの場合、助手席が乗車位置(助手席に普通に座れる状態)にあると、じつはライバルと大きく変わらない。ミラクルオープンドアによる開口幅を最大限に引き出すには、助手席を前端までスライドしておく必要があるのだ。そうすれば、メーカー値で1490mmものスライドドア開口幅が得られる。

 では、タントの助手席を乗車位置にセットした場合はどうか。各車を比較してみると、タントは幅590mm、高さ1200mm。N-BOXは同600mm、1240mm。スペーシアは600mm、1250mmとなる。つまり、タントは助手席がライバル同様、乗車位置にある限り、Bピラーレスの恩恵は薄まる、ということだ。ただし、全車、スーパーハイト系軽自動車としてスライドドアの開口部は広大。これ以上、望むべくもない。

 しかし、乗降性の良否は開口部だけでは決まらない。全車、ステップとフロアに段差のない掃きだしフロアだが、足腰が弱った人、小さな子供にとって重要なのはステップの高さ(地上高)。その寸法はタント370mm、N-BOX360mm、スペーシア345mmと、もっとも低いのはスペーシアとなり、タントとの差は25mmになる。つまり、スライドドア開口部の大きさ、ステップの低さだけを見れば、スペーシアが優位に立つ。

2)後席のゆとり

 スーパーハイト系軽自動車の大きな魅力が、後席スライド機構による、大型セダンをしのぐほどの後席の広さ。ここでは身長172cmの筆者がドライビングポジションを取った背後に座ってみた実測寸法データで、後席は最後端位置にセットした。タントは頭上に270mm、ひざまわりに355mm(テーブル含まず)、N-BOXは同250mm、450mm。スペーシアは同270mm、340mmと、ゆとり感が強調されるひざまわり空間ではN-BOXが圧倒する。

3)後席の着座性

 スーパーハイト系軽自動車の後席の広さを最大限に堪能するためには、ふたつのポイントがある。まずはヒール段差と呼ばれる、フロアからシート座面までの高さ。これが低いと体育座りに的になり、腰だけで体重を支えることになり、長時間の着座では疲れがち。また、シート下に燃料タンクの出っ張りがあると足が引けず、不自然な着座姿勢になり、降車時、立ち上がりにくくなる。いすに座った状態で、足を投げ出した状態だと、立ち上がれないのと同じ理屈である。

 その視点で各車を見ていくと、ヒール段差はタントが360mm(先代330mm)、N-BOX355mm、スペーシア360mmと横並び。どれもいす感覚で座れる数値だ。しかし、足引き性となると、後席スライド最後端位置だと、常識的に、シート下に燃料タンクの出っ張りがあるタントとスペーシアは足が引けない。シートを前方にスライドする必要がある(それでも十分に広いが/タントの場合、ひざまわり空間220mm程度にセットすると、足が引けるようになる)。

 シートそのものの掛け心地の良さを含め、とくに立ち上がり性では、ホンダ独創のセンタータンクレイアウトを生かしたN-BOXが圧倒優位となるだろう。

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