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レースでは常識の「タイヤは温まらないとグリップしない」は市販車にも当てはまるのか? (2/2ページ)

レースでは常識の「タイヤは温まらないとグリップしない」は市販車にも当てはまるのか?

ラジアルタイヤがもっとも得意とするのは60~80度

 タイヤの主な原料はゴム。ゴム製品は温度が低くなると固くなり、温度が高くなると柔らかくなる性質がある。もちろん一口にゴムといっても色々あって、1本のタイヤには10種類以上のゴムが使われていて、そこにシリカ、カーボン、その他の薬品、添加剤、軟化剤などを入れ、できるだけ、暑い日も寒い日も同じように性能を発揮できるよう、日々研究開発が続けられている。

 とはいえ、万能のタイヤはまだ未完成で、どのタイヤも得意とする温度は決まっている。F1などのレース専用タイヤの場合、美味しい作動温度領域はタイトで、高温用、中温用、低温用で、それぞれワーキングレンジは10℃ぐらいしかない。そこから5℃も外すと、期待どおりのグリップは得られなくなるほどシビア。

 その点、市販のラジアルタイヤはかなり優秀で、「暑い」「寒い」と泣き言も言わず、雨でも晴れでもそれほど神経質にならずに運転できるというのは、本当に素晴らしい。とはいえ、やはり得意とする温度は決まっていて、ゴムの温度でいえば、60~80度のときに一番仕事をしてくれる。

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