この記事をまとめると
■大手クルマ買取業者によるさまざまな悪事が明るみにでている
■昔のクルマ業者は怪しい店が多く、やっていることもかなり悪どかった
■「昔はもっとひどかった」というショップのエピソードを振り返る
ビッグモーターが可愛く見える昔の悪徳業者の悪事の数々
クルマの買い取り業者がなにか悪事を働いたというニュースが毎日のように報道されています。が、ちょっと昔の事情をご存じの方なら「なにをいまさら」と呆れているかもしれません。いまでこそ、コンプライアンスだの公取なんてややこしいことだらけですが、そもそもクルマの業者というのはディーラーだろうがブローカーだろうが脛に傷をもつのがデフォルト。昔は良かった、の逆張りで「昔はもっとひどかった」エピソードをご紹介しましょう。
車検に時間が「やけに」かかる
最近では1日車検といった短時間で車検を済ませてくれるサービスもありますが、その昔は「2週間ほどお預かりします」なんて業者もたくさんいました。もちろん、代車が貸し出されるのですが、これがまた微妙な代物だったり。で、2週間がいつの間にか3週間になり、結局はひと月くらいかかったなんてご経験がある方もいらっしゃることでしょう。
おそらくは、その間にアナタのクルマ、あるいはパーツが使いまわされていたりするのです。つまり、ほかの同じようなクルマが新規登録するとか、継続車検を受けるのに必要なパーツがなかったりした場合、アナタのクルマがドナーとなり、日本仕様のライトレンズやフェンダーアーチカバー、場合によっては触媒が外されてバリバリの並行モノの登録に流用されていたりするわけです。
もっとも、時間こそかかりはするもののほとんど実害はないはず。稀にライトのレンズを交換し忘れて「妙に配光が見えやすくなったわい。あの業者やるのう!」などということもありますが、次の車検で国内仕様に戻るはずなので、簡単に信用しちゃいけません。
セキュリティを施工したがる
中古車販売店やカーオーディオ専門店などでよくあったのが、アメリカ製の高価なセキュリティシステムのセールス。デバイスそのものはクルマ泥棒の本場で開発しているものだけに「わりと完璧じゃね!」と感心するようなレベルです。振動感知やイグニッションカットなど、いまでも通用するくらい。
で、悪徳業者はこれを悪用してまんまとアナタのクルマを盗むのです。システムを仕込んでるやつらですから、解除の方法も熟知しているうえに、普段どこに停めているかとか、生活習慣など顧客情報もたっぷり。施工した業者と窃盗を働くグループは別というケースがほとんどなので、お店を疑おうが調べようが埃は出てきません。だいたい、セキュリティをつけようなんてクルマは人気の高額車だったり、カスタムパーツ満載だったり、窃盗団からは狙われやすいと相場は決まっています。
シャレにならないのが、施工店では「念のため車両保険も入ったらどうですか」と自分のお店で加入させ、盗まれたあとに「よかったですね、保険入ってて!」などとほざくのです。ただし、保険会社もバカではないので、こういうケースが度重なるようなショップはマークされ、現在ではなかなかクリーンヒットが打てなくなっているようです。