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群馬のスバル車保有割合は全国平均の2倍! 広島でのマツダ車率は10%! 「聖地」が生まれる理由は単に「会社がそこにあるから」じゃなかった

群馬のスバル車保有割合は全国平均の2倍! 広島でのマツダ車率は10%! 「聖地」が生まれる理由は単に「会社がそこにあるから」じゃなかった

この記事をまとめると

■軽自動車の保有台数は地域によって大きく異なる

■メーカー別でも地域で差があり、地元企業のブランドのクルマ保有台数は跳ね上がる

■関連企業が多いため地元で強いというだけではない

公共機関の充実度やクルマの使い方で地域ごとにシェアが違ってくる

 クルマの売れ方や保有のされ方には、地域による違いがある。もっともわかりやすいのは軽自動車のシェアだ。高知県や長崎県は、保有される車両の56%を軽自動車が占めており、全国平均の40%を大幅に上まわる。逆に東京都は、軽自動車のシェアは22%と少ない(いずれも2023年3月)。

 つまり、公共の交通機関を利用しにくい地域では、ひとりに1台の割合でクルマを保有する世帯も多く、税金の安い軽自動車が普及した。1.3リッターエンジンのコンパクトカーを3台保有すると、自動車税だけで年額9万1500円だが、軽乗用車であれば3万2400円で済むからだ。

 東京都は逆に、公共の交通機関を使えるのにクルマを趣味で保有する人たちも多く、1台だけの世帯割合が高い。そのために軽自動車が減り、小型/普通車の比率が増える。

 また、メーカー別の保有割合にも地域性がある。基本的には全国の保有/販売台数の割合に基づくが、細かな違いも見られる。

 たとえばスバル車の保有割合は全国では3.3%だが、工場や開発施設のある群馬県に限ると6.8%に増える。全国平均に対して2倍の割合で保有されているのだ。いい換えると群馬県は、全国でスバル車をもっとも多く使っている地域でもある。

 ほかのメーカーの都道府県別保有割合を見ると、トヨタの1位は愛知県、日産の1位は神奈川県、ホンダは同様に三重県、マツダは広島県という具合に、いずれも工場や開発施設のある地域でもっとも多く保有されている。

 とくにマツダは1位の広島県が10%を上まわり、2位の山口県は5.6%だ。広島県が圧倒的に多く「マツダ愛」が根強いともいえるだろう。個人的な話だが、以前、広島のホームセンターに入ったら、ミニカー売場に「マツダ車コーナー」があった。そこには本物のロータリーエンジンに使われるローターとハウジングが飾ってあり、強い「マツダ愛」を感じた。また、1970年頃までのマツダでは、新型車が開発されると、原爆ドームをバックに撮影をしていた。マツダが広島の復興のために尽力する証でもあったのだろう。

 冷静な見方をすれば、メーカーの工場や開発施設のある地域には、関連企業やそのメーカーに部品を製造するサプライヤーの工場などが進出している。日本の就業人口全体の10%近くが自動車産業に関係しているから、その地域では各メーカーの保有割合が増えるのは当然だ。

 しかし、それだけで片付けたくはない。群馬県太田市に行くと、古いスバル1000、広島県広島市に行くと古いRX-7などが走っているのを見かけることもあり、人、地域、メーカー、クルマが密接に係わり合っている。「聖地」とは、そのような場所を示す言葉だと思う。

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