物価高と上がらない賃金が新車販売にブレーキ! 2026年上半期の新車販売は微増もけっして好調とはいえない現状

この記事をまとめると

■26年上半期の新車販売は前年比で微増という結果になった

■物価高が足かせとなり新車市場の本格回復には至っていない

■軽自動車はスズキが首位でダイハツは未使用車の登録で台数稼ぎに入っている

6月は新車販売の勢いが停滞気味に

 2026年6月単月の新車販売台数が、登録車は自販連(日本自動車販売協会連合会)、軽自動車は全軽自協(全国軽自動車協会連合会)からそれぞれ発表された。6月単月締めでの統計が発表されたので、2026暦年(2026年1月〜12月)締めでの上半期新車販売台数も発表された。

 登録乗用車の2026年6月単月締めでの新車販売台数は24万7956台(前年同期比114.1%)となった。暦年締めでの上半期末と四半期決算月が重なる6月ということもあり、好調な結果となったようだが、登録車では契約月内に新規登録が間に合うケースはほとんどない。それまで積み上げたバックオーダーを何台消化できたのかという統計というのもいいすぎではないのだが、それでも前年同期より好調だったのは、それだけ生産状況も改善されてきていることを物語っているのかもしれない。

 2026暦年締め上半期における登録乗用車の販売台数は133万5658台(前年比100.8%)となっている。前年同期比で微増とはなっているものの、これだけでは新車販売市場が回復に向かっているともいえない。物価上昇に歯止めがきかないなか、新車は高いというイメージが巷でかなり浸透してきている。なら中古車ともなりがちだが、中古車価格も底上げ状況となっており、結果としていま所有している車両を引き続き乗り続けるという選択も目立ってしまっているからである。

 全軽自協が発表した2026年6月単月締めでの軽四輪乗用車の販売台数は11万2496台(前年同期比100.6%)となっている。登録車より新規届け出にかかる日数が短い(それだけギリギリまで追い込める)なかでも前年同期比横ばいということは、まだまだコロナ禍前のような供給体制には戻りきっていないともいえるだろう。

 2026暦年締め上半期における軽四輪乗用車販売台数は66万458台(前年同期比99.5%)となり、前年同期比でほぼ横ばいとなっている。供給体制は登録車より整っているように見えるのだが、より経済観念の厳しいユーザーの多い軽自動車なので、やはり止まらない諸物価高騰となかなか上がらない賃金が需要にブレーキをかけているのかもしれない。

 気になるスズキとダイハツのブランド別軽自動車販売競争をみると、2026年6月単月では、軽四輪総台数で5820台差をつけてスズキがトップとなっている。軽四輪乗用車では7885台差をつけてスズキが、軽四輪貨物車では2060台差をつけてダイハツがトップとなっている。

 2026暦年締め上半期総台数でみると、軽四輪総台数ではスズキが1万5600台差をつけてトップとなっている。軽四輪乗用車では3万5940台差をつけてスズキが、軽四輪貨物車では2万340台差でダイハツがトップとなっている。軽四輪乗用車で大差をつけられているダイハツが、軽四輪貨物車でその差を埋めているということになる。ただし、軽四輪貨物車、とくに軽トラックではダイハツ・ハイゼットが届け出済み未使用中古車として店頭では圧倒的に目につく。

 軽四輪乗用車でも、ムーヴキャンバスやタフトを中心にダイハツの届け出済み未使用中古車が目立っている。スズキのクルマもけっして少ないというレベルではないものの、ダイハツが自社届け出による販売台数の積み増しを積極的に行っている様子が、届け出済み未使用中古車の状況からも伝わっており、仮にスズキを抜いて年末や年度末に年間販売台数でブランドトップとなっても手放しで喜べるかは疑問が残るところである。

 本稿執筆時点では、間もなく世の中が夏休みに入るので新車販売市場も小休止のような時期が続いてしまうのだが、9月は事業年度締めでの上半期末となるので再び激しい販売競争が展開されることになるだろう。


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小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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