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最近のクルマってダッシュボードの奥が拭けないほど長いのはなぜ? (2/2ページ)

最近のクルマってダッシュボードの奥が拭けないほど長いのはなぜ?

この記事をまとめると

■近年のクルマは空力重視で流線形のモノフォルムが主流になっている

プリウスを例に取ると世代を追うごとにAピラーを寝かせ空気抵抗低減を追求

■空力向上の代償としてダッシュボードは前後に長い設計となった

空力性能の追求がボディデザインを変えた

 最近のクルマとひと昔前、たとえば2000年前後のクルマを見比べると、明らかにボディフォルムの違いがあることに気付くだろう。トヨタ・プリウスを例に挙げて見比べてみることにしよう。

 2000年ごろのプリウスといえば、まだ初代NHW10/11型(1997〜2003年)の時代で、ひと口でそのフォルムを表現するなら、一応3ボックスセダンながらリヤデッキ部は申し訳程度の長さで、2.5ボックスと表現してもよいデザインで仕上げられていた。

 一方、5世代目となる現行ZVW60/MXWH60型(2023年〜)を表現するとどうなるだろうか。サイドビューを眺めると、フロントエンドからリヤエンドまで、ひと筆書きのようなみごとな弧を描いている。従来のような〇〇ボックスという表現を使おうとすれば、キャビン部とフロントデッキ/リヤデッキ部(というより該当する部分がない!)の境目がないことから、ワンボックスといういい方もできてしまう。

 もちろん、正統な意味でいうワンボックスの定義がほかにあることはよく知られるとおりで、直方体のフォルムをもつワゴンやバンを指し、文字どおりひとつの箱としてデザインされているクルマを表している。これが、プリウスのようないわゆる流線形のボディ形状は、今風にいうならモノフォルムという言葉がより正確な表現になるだろう。

 さて、初代から現行の5世代目となるプリウスのデザイン変遷を見ると、代を重ねるごとにAピラー(フロントピラー)の傾斜角が浅くなり、ついには現行型のようにフロントフード(ボンネット)とフロントウインドウの角度がほぼ同一となり、サイドフォルムを眺めると、段差のないひとつの弧を描くようなデザインで作られている。

 では、なぜフロントピラー(=フロントウインドウ)の傾斜角は浅くなってきたのだろうか? いうまでもなく、空気抵抗軽減のためである。WEB CARTOPでは再三触れてきたが、空気抵抗の軽減は燃費性能の向上につながり、それは速度が上昇するにしたがって顕著になる特性がある。簡単にいえば、時速50km/hと100km/hの走行では、速度の変化は倍となるが、空気抵抗は4倍に膨れあがってしまうのだ。その変化のしかたは2次曲線で尻上がり。これが150km/h走行(日本では非合法な速度だが)ともなると50km/h走行のじつに9倍の空気抵抗になるのである。

 プリウス最大の特徴、というより唯一無二の特徴といってもよいが、その真価はハイブリッドシステムである点に尽きる。世界初の量産ハイブリッド車として、その燃費性能のよさが最大のアピールポイントとなってきた。そして現代では、その経済性よりもむしろ二酸化炭素の排出量低減のほうに大きな意味があり、社会的にも重要視されている。

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