
この記事をまとめると
■新型CX-5は2.5リッターガソリンHV専用となりディーゼルを廃止する
■現行CX-5のディーゼル車は高トルクと低燃費で国内人気が高い
■日本市場では今なおディーゼルSUVへの需要が根強く残っている
新型CX-5はディーゼル廃止へ
今はSUVの人気が高く、新型車の発売も活発だ。このなかでもとくに注目されるのが新型マツダCX-5だ。販売店では「新型CX-5の正式発売は(2026年の)5月ごろだが、店舗では、3月5日から価格を明らかにして予約受注を実施している。グレードは3種類で、S(2WD:330万円)、G(352万円)、L(407万円)になる」という。
新型CX-5で注意したいのはパワーユニットで、2.5リッター直列4気筒ガソリン+マイルドハイブリッドのみだ。2027年には新開発のスカイアクティブZを使ったストロングハイブリッドも追加するが、現行型で人気の高い2.2リッタークリーンディーゼルは廃止される。
ディーゼルを廃止する理由は世界的に需要が減ったことだが、日本では人気が高い。その理由はディーゼルの高効率だ。現行CX-5のディーゼルは、4.5リッターガソリンエンジンに相当する駆動力を実用回転域で発生させ、発進時から加速性能が優れている。
その一方でディーゼルは燃料消費量が少なく、軽油価格はレギュラーガソリンに比べて1リッター当たり11円ほど安い。その相乗効果で、ディーゼルを搭載するCX-5の燃料代は、コンパクトなトヨタライズの1.2リッターガソリン車と同等。CX-5のディーゼルは高性能で低燃費なのだ。
しかも現行CX-5のディーゼル車の価格は、先に挙げた新型の同等グレードよりも少し安い。そのために販売店では「新型の価格を確認して現行型のディーゼルを買うお客様も多い」という。その結果、CX-5は次期型の概要を公表しながら、少なくとも2026年3月までは現行型の売れ行きが下がっていない。
このようにディーゼルは高人気で、国内で新車として販売されるCX-5の50%を占めるが、海外市場まで含めた世界販売総数で見ると、CX-5のディーゼル比率は約5%に減ってしまう。
そこでマツダは、今後のディーゼルはCX-60やCX-80に搭載される直列6気筒3.3リッターのみにするという。そのほかの排気量ではディーゼルを廃止する方針だ。CX-5のディーゼルでは、煤が溜まりやすいなどの問題点も指摘されるが、高性能と低燃費で多くのユーザーから支持されている。CX-5、さらにCX-30などでもディーゼルを廃止すると、マツダの国内販売に与える悪影響は大きい。
ディーゼルエンジンの乗用車は、ほかのメーカーでも減っている。マツダ以外のディーゼル搭載車は、トヨタのランドクルーザー70とランドクルーザー300(ランドクルーザー250とハイラックスは2026年4月時点で停止中)、三菱デリカD:5と、ピックアップトラックのトライトンのみだ。
このうちデリカD:5は、悪路向けSUVの走破力とディーゼルを搭載するために販売が好調だ。発売は2007年で、すでに19年を経過するが、2025年度(2025年4月から2026年3月)には過去最高の売れ行きを記録した。仮にデリカD:5のエンジンがガソリンやプラグインハイブリッドになり、ディーゼルを廃止したら、今の売れ行きを保つのは困難だ。
少なくとも日本では、ディーゼルエンジンは魅力的なパワーユニットとされ、搭載車の売れ行きも堅調だ。日本のユーザーに支えられる日本車メーカーなら、必要な車種には今後もディーゼルエンジンを搭載すべきだ。
