
この記事をまとめると
◼︎スーパー耐久にライターの西川昇吾が参戦
◼︎ST-4クラスに参戦する86号車K・M・S・D GR86を操った
◼︎代表の梅原さんを筆頭に知り合いたちが協力して支えるプライベーターチームだ
1年ぶりにスーパー耐久に参戦してみた
国内唯一の24時間レースであるスーパー耐久富士24時間レース。このレースに昨年初挑戦した筆者は今年も参戦した。近年プロフェッショナル化が著しいスーパー耐久(通称S耐)だが、実際のところどうなのか? プライベーターチームで参戦したからこそわかる「S耐の裏側」を赤裸々にリポートする。
近年プロフェッショナル化が進んでいるS耐
今更ながらだが、S耐ことスーパー耐久について簡単におさらい。スーパー耐久はかつて開催されていたN1耐久レースを原点としたカテゴリーであり、比較的アマチュアドライバーも参加しやすいレースであった。「参加型レースの最高峰」と表現されることもあるが、“最高峰”というブランドからか近年注目が高まり、プロドライバーや自動車メーカーの参戦が増えるなど参戦することのハードルが高くなった印象がある(そういった声を受けて、耐久レースを手軽に楽しめるS耐チャレンジが誕生した)。
今回筆者はST-4クラスに参戦するチーム「木附製作所モータースポーツ事業部」が走らせる86号車K・M・S・D GR86をドライブさせて頂いたわけだが、ST-4クラスは「プロフェッショナル化」が著しいクラスだ。1.5~2.4リッターの排気量のマシンで争われる(ターボ車はターボ係数1.7)このクラスには10台がエントリーしており、S耐で2番目に参加台数が多いクラスだ(もっとも台数が多いのはGT4マシンで争われるST-Zクラス)。
S耐の原点を彷彿とさせるファミリーチーム
人気のクラスであるためトップ集団の競争は激しく、現役のSUPER GTドライバーなどを起用するチームもある。そんななか、筆者が今回ご一緒した「木附製作所モータースポーツ事業部」はS耐の原点的な形……ともいえる、ファミリーを中心としたプライベーターチームだ。チームオーナーはレギュラードライバーの梅原選手のお父様で、現場での各種判断をする監督や代表的な立場は梅原選手自身が行っている。
現場でのメカニックさんやエンジニアさんはその道のプロにお願いしているが、これは元々あった梅原選手の個人的なネットワークがベースだ。マシンは同クラスで戦うENDLESSのGR86がベースとなっていて、ボディ製作は同じところで行われている。ただし、燃料タンクと車内との間にある隔壁やスイッチ類の基板、フロントにある冷却系の導風板などはチームオリジナルで製作。チームの母体である木附製作所は金属加工業を営んでいるので、家業の技術が生かされたマシンという訳なのだ。
筆者も何度かマシンが入っているガレージに立ち寄ったが、梅原選手を中心に妹さんや、妹さんの旦那さんなどが仕事終わりに各種整備やアップデートをしていた。なお、配線作業は妹さんの得意技。クールスーツを「人間のクーラー」、夜間ピット作業のときに必要な室内灯を「まぶしい」と表記してあるのは彼女のセンスだ。
お手製感のあるプライベーターチームではあるが、モータースポーツをやるからには上位を目指したいのはみんな同じ。ドライビングや戦略に関しては数多くのコミュニケーションを取った。SUPER GT経験者などはいないが、ドライバー陣はS耐レギュラー経験者を中心に構成されており、スポット参戦の経験しかないのは筆者のみ。今回の参戦にあたり数々のことを教えいただいた。
ちなみに、プライベーターチームでレースアンバサダーがいることに驚く声を聞くことも多かった。じつはこのチームのレースアンバサダーである白田あんさんも梅原選手の元々の知人。普段は芸能活動と大学生を両立しているが、チーム発足の話を聞いてご自身からレースアンバサダーをやりたいと申し出たとのこと。クルマのカラーリングを聞いて、衣装を作ってくださる業者にデザインも含めお願いしたそうで、衣装の発注も含め白田さんが自主的に動いたそうだ。
印象的でAE86を思わせるパンダカラーは梅原選手の案。というのも「安くて、早くて、目立てるカラーリングはなんだろう……? 」と考えてこのパンダカラーに決定したのだ。
