
この記事をまとめると
■トヨタのカローラシリーズは小型/普通車の販売ランキングで上位につけている
■カローラシリーズでもっとも売れているのはカローラクロスで約半数を占めている
■カローラだから人気というわけではなくSUVだから売れているという側面が大きい
なぜカローラクロスは売れる?
2025年度(2025年4月から2026年3月)における小型/普通車の販売ランキングは、1位がヤリス、2位はカローラであった。いずれも複数のボディを用意するから、ヤリスシリーズ、カローラシリーズと表現される。
このうち、注目される車種はカローラだ。カローラシリーズの内訳を見ると、SUVのカローラクロスの人気がもっとも高い。国内で新車として販売されるカローラシリーズの約52%を占めており、1カ月平均登録台数は約5400台だ。
カローラシリーズで2番目に売れているのは、ステーションワゴンのカローラツーリングだ。カローラシリーズ全体に占める割合は約26%で、1カ月平均登録台数は2700台くらいになる。このカローラクロスとカローラツーリングの登録台数を合計すると、カローラシリーズ全体の80%近くに達する。
そしてカローラシリーズの3位はカローラセダンだ。カローラシリーズに占める割合は約10%で、1カ月あたりの平均登録台数は1100台前後になる。
ちなみにカローラは初代モデルを1966年に発売しており、この売れ行きが絶好調だった。日本に自動車を普及させるうえでも、大切な役割を果たしている。このときのカローラはセダンが中心だったが、いまは時代が変わり、SUVのカローラクロスが前述のとおり半数以上を占める。
このようにカローラクロスが絶好調に売れている理由は、SUVの人気が高まったからだ。いまの日本では、新車として売られる小型/普通乗用車の30〜40%をSUVが占める。
とくに全長を4500mm以下に抑えたコンパクトSUVの人気が際立って高い。コンパクトでもSUVだから、フロントマスクには厚みがあってカッコいい。ボディがコンパクトだから、街なかでも運転しやすく価格は割安だ。そしてSUVはワゴンやセダンよりも天井が高く、ボディがコンパクトでも、4名で快適に乗車できて荷物も積みやすい。このようにコンパクトSUVは合理的で、日本の市場にも適している。
その結果、カローラクロスは1カ月に5000台以上を販売する人気車になった。いい換えれば「カローラ」だから売れているわけではない。別の車名でも、このパッケージなら好調に売れただろう。
それでも車名に「カローラ」を冠してカローラシリーズに位置付けた理由は、伝統ある車名を今後も長く存続させるためだ。1954年に初代モデルを発売した「ランドクルーザー」、1955年に誕生した「クラウン」、1967年登場の「センチュリー」も、いまでは複数のボディタイプをそろえ、販売を強固にして存続を図っている。
これは別に名誉を守るといった話ではない。トヨタが得意な「売れるクルマ作り」をするうえで、知名度や信頼性を高められる車名の存続は、欠かせない戦略だからだ。逆にいえば、他社が長年にわたって続いた車名をやめてしまうのは、販売面で不利なことなのだ。
