
この記事をまとめると
■ホンダにはかつてインテグラというクルマがあった
■現在は北米のアキュラにて展開されている
■国内では4モデルが歴代で展開されタイプRも存在した
スペシャリティクーペ「インテグラ」とは
ホンダの「インテグラ」といえば、日本で初めてフェアリングを装着したスポーツバイク「CBX400Fインテグラ」(1982年7月発売)がルーツであり、2012年4月には第2世代DTCを搭載した大型バイクにもその名が与えられていた。
そして現在は、北米向け高級ブランド「アキュラ」のエントリーモデルに位置付けられるCセグメント5ドアハッチバックと、中国の広汽本田が販売するシビックセダン/ハッチバックの姉妹車が、「インテグラ」の名を受け継いでいる。
しかし、日本のクルマ好きにとってはやはり、3代目「インテグラ」が1995年8月にマイナーチェンジを受けるとともに追加されたピュアスポーツモデル「タイプR」が、もっとも強く印象に残っているだろう。
だが本稿では、それらの「インテグラ」とは異なり、気軽にスポーティかつスタイリッシュな走りとデザインを楽しめた、4代22年間にわたる歴代4輪モデルを紹介したい。
【初代:1985〜89年】
1980年2月に発売されたコンパクト5ドアハッチバック「クイント」の後継モデルとして、「クイントインテグラ」の名で、1985年2月にデビューした。
「クイント」が4輪ストラットサスペンションを採用する2代目シビックをベースにアコードの質感とゆとり、プレリュードの走りと端正なデザイン、シビックの使い勝手と低燃費を兼ね備えた「クロスオーバー・カー」と位置付けられていたのに対し、「クイントインテグラ」はフロント:ストラット式/リヤ:車軸式サスペンションを採用する3代目シビックとプラットフォームを共有しつつ、まず3ドアハッチバッククーペからリリースされた。
リトラクタブルヘッドライトをもつショートノーズ・低ボンネットのフロントマスクに、ワイド感を強調する横長のテールライトを備えたリヤまわりのデザインに加え、全車にZC型1.6リッター直4DOHC4バルブエンジンを搭載。キャブレター式の100馬力仕様のみならず、電子燃料噴射式「PGM-FI」の120馬力仕様も用意することで、スポーティかつスタイリッシュなイメージを強く訴求していた。
同年10月にはハッチバックボディの5ドアを追加するが、こちらもホイールベースを70mm延長しながら3ドアと同様のスタイルを採用し、全車にZC型エンジンを搭載するなど、スポーティなイメージを踏襲。
しかし翌1986年10月に追加されたノッチバックボディの4ドアは、3ドアや5ドアよりも太い真一文字型のテールライトを採用。エンジンもZC型だけではなく、76馬力(ネット値)を発するEW型1.5リッター直4SOHCの「CVCC」(複合渦流調速燃焼方式。副燃焼室付き)エンジンも設定され、3ドアや5ドアよりも大人しめのキャラクターが与えられていた。
【2代目:1989〜93年】
4輪ダブルウイッシュボーンサスペンションを含めて多くのメカニズムを共用する4代目シビックより、約1年半遅れて1989年4月にデビュー。ボディタイプは3ドアハッチバッククーペと4ドアハードトップの2種類が設定された。
スタイリングに関してはヘッドライトがリトラクタブル式から横長の固定式に変更された以外はおおむね初代のキープコンセプトだったが、ホンダとして初めてB16A型1.6リッター直4「DOHC VTEC」(可変バルブタイミング・リフト機構)4バルブエンジンを設定。
NAながらリッター100馬力に相当する160馬力を7600rpmで発生し、レッドゾーン8000rpmを許容するこの高回転高馬力型エンジンは、当時圧倒的なエンジン性能を誇っていたホンダの第2期F1参戦と相まって、インテグラのみならずホンダ全体の高い技術力とスポーティなイメージをクルマ好きに植え付けるのに十分すぎるほどの役割を担ったといえるだろう。
そのほかZC型エンジンの「PGM-FI」仕様とデュアルキャブ仕様を設定していたが、1991年10月のマイナーチェンジではB16A型エンジンを170馬力/7800rpm(5速MT車)にアップしつつ、新たにB18B型1.8リッター直4DOHC4バルブエンジンを追加設定している。
なおこの2代目は、「カッコインテグラ」「調子インテグラ」「気持ちインテグラ」といったCMのキャッチコピーや、現在の上皇さまが4ドアハードトップを、皇居内での愛車として長年運転し続けたことでも有名になった。
