
この記事をまとめると
■BYDが日本で軽規格のBEV「ラッコ」をリリースした
■2027年には中国のチェリーも軽BEVを展開予定だ
■海外には軽規格が存在しないのでわざわざ軽規格に合わせて新車を作るかにも注目だ
世界が注目し始めたコンパクトBEV市場
2026年7月28日、中国BYDがスーパートールタイプ軽自動車規格BEVとなるラッコを日本国内で正式発表した。日本の軽自動車販売で主力となっているスーパートールスタイルを採用しており、軽自動車のど真ん中需要で勝負をかけてきたその姿勢には自信に満ちたものを感じる。
すでに2027年には、中国チェリー系の軽自動車規格BEVが日本市場投入予定となっている。BYDやチェリー以外の中国系メーカーのなかにも、日本の軽自動車規格に近いサイズのBEVをラインアップしているところがあり、まだまだ中国系軽自動車規格BEVが日本市場に押し寄せてきそうな気配もあるのだが、現状の日中間での政治レベルでのゴタゴタをみると、日本市場への導入はそう簡単には進まないのではないかと考えている。
チェリーがどのようなスタイルのモデルを市場投入するのかは、いまひとつ定かではない。そのなかで、広く日本の軽自動車規格に近い中国系メーカーのBEVをみると、アルトやミラ・イースに近い、いわゆるセダンスタイルもあるのだが、見た目がジムニーのようなハードオフローダー風BEVも目立っている。
日系メーカーのICE(内燃機関)軽自動車も意外なほど車両価格が高いケースがあるが、たとえ軽自動車規格であっても、軽自動車規格BEVはICE軽自動車に比べれば車両価格は高めになるだろう。そのようななかにあっては、スーパートールやセダンスタイルではなく、趣味性も高いハードオフローダースタイルの軽自動車規格BEVのほうが、日本市場でも勝機があるのではないかと筆者は見ている。
親日国としても有名なベトナム系自動車メーカーのビンファストは、現状ほぼBEVに特化したブランドとなっている。そのビンファストのなかでベトナム国内にて高い人気を誇るのが、マイクロコンパクトBEVであり、見た目がSUVスタイルとなるVF3だ。そのまま日本で軽自動車として販売できるというわけではないものの、日本とベトナムとの友好関係をみると、なかなか気になるモデルとして注目している。
BYDがラッコを足掛かりとして、それをベースにさまざまなスタイルの軽自動車規格BEVを日本国内で展開してくることも否定できない。日本の軽自動車はインバウンドが増え続けるなか、その存在の認知が世界的に高まっているように見える。日本から中古車として輸出されたものを好んで購入し、愛車自慢をするといった投稿もSNSでは珍しくなくなってきている。
日本の軽自動車は、世界市場という新たな景色が見えてきたのだが、海外市場は厳格な日本の軽自動車規格にはこだわらない。そのため、前述した軽自動車規格に近い中国系やベトナム系コンパクトBEVがKcarとして世界市場に積極的に受け入れられてしまうかもしれない。
チェリーの2027年導入というのは、ラッコの販売動向を見てからというようにも見える。ほかの中国系メーカーや、軽自動車規格BEVの輸入販売を画策する日本の商社などの動きを考慮すると、BYDラッコの日本国内での販売動向は、まさにさまざまな視点から注目の的になっているのかもしれない。
