
この記事をまとめると
■ルノー・キャプチャーがパワートレインを一新
■新開発の1.8リッターエンジンで力強く滑らかな走りと実燃費23.5km/Lを両立
■Google搭載のインフォテインメントや運転支援機能で車内の快適性も向上した
パワフルで滑らか、しかも低燃費
近ごろフランスと聞くと暴動の話題ばかりで、さも訳知り顔に語る輩が多い。もちろん根深い問題ではあるが、ブームや騒ぎに乗じて自分さえよければOK的なさもしいメンタリティは、じつは転売ヤーに近い。現場で現物をハンドリングするほうが手数料で稼ぐより容易という話だが、互いの比較に至らないほど短絡思考かつ狭窄視野なところが、それぞれ問題なのだろう。
とんだ前置きになってしまったが、フランスのA面というかまともサイドは、きっちりとした歩みと進化を続けていることを、E-TECHパワートレインが一新されたルノー・キャプチャーに試乗して、確信してきた。
ルノー・キャプチャーE-TECHにはMHEVとストロングハイブリッドがあって、昨年マイナーチェンジしたばかりだが、後者のフルハイブリッド版がビッグマイナーといって差し支えないほど、パワーユニットを中心とする刷新を敢行したのだ。つまりマイチェン後の後期フェイズで、キャプチャーのストロングハイブリッドは今後、従来の自然吸気1.6リッターと、今回が初お目見えの1.8リッターベースの2種類となる。
これまでのH4Hに代わって、「H5P」の型式が与えられた新開発の1.8リッターエンジンは、ボアが78mmのまま、83.6mmから93.78mmへよりロングストローク化。同時に燃料供給の直噴インジェクションは、よりきめ細かな制御が可能な350barとなり、駆動用バッテリーも1.2kWh容量から1.4kWhに刷新。かくしてシステム出力は旧143馬力から158馬力と10%強ほど増し、トランスミッション制御も見直された。
ブルー&ブラックが大人っぽくてスポーティな雰囲気を醸す「エスプリ・アルピーヌ」のトリム内装はそのままだが、車内に乗り込むとシフトレバーはスティックに変更され、メーターディスプレイも左右端までフルワイド液晶化されて輝度も増し、表示も一段と見やすく一新されている。10.4インチのセンターディスプレイとマルチセンスによる4種類の走行モード選択は、そのままだ。
アイドリングのない状態からいざゼロ発進すると、40~50km/h以下の領域で、明らかに従来よりトルクのツキが分厚くなった。キャプチャーはもともとBセグSUVとしてはボディ剛性感が頼もしい部類だが、街なかでストップ&ゴーを繰り返していても、静粛性まで0.5段ぐらい増している。
走りにひとまわり余裕が増した感覚は、高速道路上でも健在だ。合流路や中間加速でアクセルの踏み込みを足してやると、易々と車線の流れをリードできるほどの加速を披露する。ごく初期のE-TECHには、とくに速度が一定しない領域で変速マナーとして微妙なギクシャク感を伝えてきたり、たまにトルクの谷間に入り込んでエンジンが妙に吹き上がってしまう現象もあった。だが途中、渋滞にもハマりながら走ったが、そうした兆候は皆無。滑らかで力強く、ダイレクトな駆動レスポンスという、E-TECHが美味しくなるスイートスポットだけを抽出したようなフィールに生まれ変わっている。
