より質の高い移動時間を実現
あえてひとつ難を挙げるとすれば、ルーテシア、アルカナと並ぶE-TECH3兄弟のなかで次兄格のキャプチャーは、ステアリング中立付近のフィールがもっとも曖昧ではある。直進していても、自分で舵が利いてくる領域をつねに探しているような気になる。ただ、コーナーで切り増していけば、ようやく好ましい反力と手応えが得られ、ニュートラルに曲がっていくルノーらしいハンドリングの確かさはある。
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一方で足まわりは、19インチと45扁平エコタイヤの組み合わせによって硬さを感じさせる局面が多い。新し目の高速道路のようなフラットな路面では申し分ないが、埋め立て地に多いうねりや凹凸、そららを均そうとした補修パッチが散りばめられた郊外路では、強めのピッチングを伝えてくる。
車重は1420kgと、いまや重たい部類でもないのでサイドウォール剛性たっぷりの扁平エコタイヤでなく、前期型で標準だった18インチ55扁平でも十分な気もするが、横浜から千葉までの道中、決して少なからぬ渋滞に遭いながら、エコ運転した訳でもないのに、メーター読みでのトリップ燃費は23.5km/Lを叩き出した。たわみや変形を排したところに数値としての好燃費があるのだろう。自分がオーナーになったならば、1回目のタイヤ交換で銘柄チェンジするとは思う。
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ちなみに排気量が0.2リッターアップしたとはいえ、回生で作った電気をそそくさと駆動に使ってしまう、そんな制御の気前よさは相変わらず。だが、貯めては吐出する量的な余裕がまったく違うし、中間加速から高速巡航までアクセルを踏み続ける状況では、トルク&パワーの伸びはリニアで心地よく、何より走り全体のスケールが大きくなったような余裕を感じさせる。だからパワー感の力強さと、従来のパワーユニットを軽く凌ぐ実燃費の両立は、ロジカルに組み上げられたものなのだ。
さらに特筆すべきは、「openR link(オープンアールリンク)」と呼ばれるインフォテイメントシステムにはグーグルが標準装備され、音声での検索から道案内の精度、シームレスさに磨きがかかっていて、操作中にストレスがないこと。個人のグーグルアカウントにログインすれば、スマートフォン同様の環境がセンターディスプレイでほぼ実現する。しかも車載のeSIMは8年間有効とのことで、スマートフォン側の通信容量を喰わない点も大きなメリットといえるだろう。
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加えて、ドライバーの視線の動きを追って疲れや注意力の低下を警告するモニタリングシステムや、9つのスピーカーによるハーマン・カードンのプレミアムサウンドシステムも初搭載となる。
ただスマートさや快適さ、多機能をアドオンもしくはトッピングのように上乗せしてくるのではなく、走りが力強くスムースで静かになったぶん、車内空間やそこで過ごす移動時間の質を高めるという考え方が、いまどきのフランス車らしさなのだ。かくしてキャプチャーE-TECHは、よりパワフルでコネクテッド、かつ賢くなった。
