クルマはスマホナビで十分? 通信料やルート案内など「○と×」を車載ナビと比較した (2/2ページ)

測位精度が悪いとルート案内も不安定に

◆スマホで使うナビ(スマホナビ)の「×」

【測位の安定度は車載ナビに大きく劣る】

 スマホナビ最大の弱点となるのが測位精度だ。スマホでは測位するのにGPSを使うのが基本で、この受信状況次第で精度は大きく左右される。そのため、建物に電波が反射するマルチパスにも影響され、ビル街や山間に入ると自車位置が不安定になるにもこのためだ。ここがジャイロセンサーや車速パルスも併用する車載ナビと大きく違う点だ。加えて、車載ナビでは当たり前の道路の高低差もスマホナビは認識できず。

【利用シーンによりルートガイドも不安定になる】

 測位精度の不安定さはルートガイドにも影響する。自車位置が不安定だと正しい案内もできなくなってしまうのだ。また、アプリを立ち上げた直後は進むべき方角も示せない。つねに安定したルートガイドを求めるなら、スマホナビは明らかに力不足と言えるだろう。

【画面サイズが小さく視認性はイマイチ】

 車載ナビに比べて画面が小さいのもスマホナビの弱点だ。画面サイズが小さいため、ダッシュボードの上に取り付けるとドライバーは案内が良く見えなかったりする。その一方で車載ナビは着実に大画面化が進んでおり、視認性は飛躍的にアップしている。一部の車種ではナビゲーション以外にさまざまな機能をモニタリングするために、画面サイズをタブレット並みしている例もあるほどだ。「それならスマホではなくタブレットを使えばいい」との声も出そうだが、衝突時のリスクも踏まえると運転席まわりに取り付けるのはかなり難しい。

◆スマホで使うナビ(スマホナビ)の「△」

【利用時の通信料をあまり気にする必要はない】

 スマホナビを使う際には通信料も気になるところだろう。ただ私はこれまで経験上、それほど心配する必要はないと思っている。グラフィカルな表示を行うナビになるほど通信料がかかる傾向にあるのは当然だが、たとえばシンプルな表示にとどまるGoogleマップなどは頻繁に使っても1カ月で1GBを超えることはまずない。もちろん、月々の契約を1GBに抑えている人にとっては、ほかの利用も踏まえると少々と厳しい可能性はあるが、ナビアプリを使って“パケ死”することは考える必要はないだろう。だから、通信料は△とした。


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