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ミニバン市場に異変! バカ売れだった「ノアヴォク・セレナ・ステップワゴン」が売れないワケ (2/2ページ)

ミニバン市場に異変! バカ売れだった「ノアヴォク・セレナ・ステップワゴン」が売れないワケ

この記事をまとめると

■ノアヴォク・セレナ・ステップワゴンが苦戦している理由を解説

■ミニバンユーザーのダウンサイズ化が進んでいる

■残価設定ローンによるアルファードへのアップグレードも多い

ミニバンクラスでもっとも売れているのはアルファードだ

 かつてミニバンと言えば、トヨタのノア系(ノア、ヴォクシー、エスクァイア)や、日産セレナ、ホンダ・ステップワゴンなど、5ナンバーサイズで背が高く、サイドのリヤドアにスライドドアを採用する、ミドルクラスミニバンが売れ筋であった。しかし、最近では2021事業年度締め(2020年4月から2021年3月)年間販売台数でアルファードが10万台強を販売し、ミニバン販売でナンバー1になるなど、様子はだいぶ変わってきているようである。

 自販連(日本自動車販売協会連合会)統計をもとに、2020事業年度締め年間販売台数を、2016事業年度(2016年4月から2017年3月)締め年間販売台数を100%として比較すると、ヴォクシーが約77.7%、以下ノア約83%、エスクァイア約44.8%、セレナ約72.2%、ステップワゴン約75.0%となった。登録乗用車全体の販売台数では約85.8%なので、全体と比較しても、やや元気がないように見える。

 2020事業年度はコロナ禍でもあったので、ヴォクシーについて、2017事業年度締め年間販売台数を100%として、2019事業年度締め(2019年4月から2020年4月)と比較、つまりコロナ禍直前と比べても約88%となったので、コロナ禍以前からあまり調子は良くなかったといえよう。

 販売現場で聞いてみると、「世の中でダウンサイズとして、排気量やボディサイズの大きなクルマから、サイズや排気量の小さいクルマへの買い替えがトレンドとなったことがまず大きいです」とのこと。ミドルクラスミニバンは5ナンバーサイズとはいえ、もともとは2リッターエンジンを中心に搭載していた。

 ノア系、セレナ、ステップワゴンともに、いまではハイブリッドやe-POWERといったパワートレインを搭載するモデルもラインアップしているが、それでも歴代ガソリン車の実走行燃費が1ケタ台だったものが、ようやく2ケタに改善したというぐらいなので、トヨタ・シエンタやホンダ・フリードへダウンサイズするミニバンユーザーが増えているのである。

 自販連統計による、通称名(車名)別販売ランキングで事業年度締めでの年間販売台数でみると、ミニバンでトップは、2016年度がシエンタ、2017年度フリード、2018年度シエンタ、2019年度シエンタとなっていることからも明らか。シエンタサイズのミニバンをラインアップしない日産は、セレナユーザーの一部が、シエンタやフリードに流れたものと考えられる。

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