現車の細部チェックは素人には意味なし! 中古車選びでハズレを引かない5つの攻略法 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■中古車選びで失敗しにくくなる5つの必勝法を解説

■記録簿があればそれを見ることによってクルマの扱われ方が紐解ける

■多少の傷や凹みは仕方ないが修復歴はなるべくないほうがいいだろう

いいタマを引き当てるための中古車選びとは

 自慢にもなりませんが、筆者はこれまで新車を買ったこと1度しかありません。恥ずかしながら、予算の都合で乗ったクルマはほぼほぼ中古購入です。が、これまた自慢にもなりませんが「しくじり」も数えるほどしかありません。

 自動車雑誌の編集やら、制作プロダクションに身を置いていたアドバンテージ? 新車ならまだしも、中古車でそういう役得みたいなものはありゃしません。むしろ、そういう立場なのにダメなタマ買ったりしたらまわりから嘲笑の的になるわけでして……。ともあれ、綱渡り的な買い物をしてきたわりに、さほど失敗しなかったのにはそれなりの理由もあるわけです。参考となるかはモヤモヤですが、いくつかポイントのようなものをご紹介しましょう。

1:とにもかくにも直感

 実車であろうと、写真であろうとひと目見たときの直感で良し悪しを見抜くべきでしょう。それほど難しい理屈ではなく、色つや、佇まい、インテリアのやれ具合、ぱっと見でなんとなく判断できるものです。たとえば、妙に車高が高く感じるとか、バンパーの平衡が出ていない、チリ合わせが微妙などというのは、何台か同じクルマを見続けていればわかってくるものです。

 こうした細かな「違和感」が少なければ少ないほどいいタマなのは言うまでもありません。たとえ過走行であっても、佇まいがピシッとしているクルマというのはあるもので(1980年代後半から1990年代のメルセデスなど)あとで述べる整備手帳と照らし合わせれば、決して大きな失敗、予期せぬ出費は避けられるはず。もっとも、この直感は試乗でひっくり返ることもしばしばありますから、あくまでファーストステップとお考え下さい。

 ともかくは、欲しいと思っているクルマを何台でも観察してみること。1台1台のわずかな差異が(骨董通りの古道具屋並みに読み取れる)まで精進してみてはいかがでしょう。

2:使われ方より、置かれていた環境を想像する

 当然クルマは乗っていればどこもかしこも傷んでくるもの。過走行であれば、ペダル類のゴムも擦り切れるし、スピードを出していたタマならば思わぬところにチッピング(擦り傷)があったり。そうした経年劣化については、さほど神経質になっても仕方ありません。なにしろ新車じゃないのですから、予算との折り合いをつけるべきでしょう。

 ただ、保管状況については想像力にブーストをかけるのが肝要。屋根&シャッター付き車庫で大事に大事にされてきたタマ、これがベストかっていうとそうでもない。こうしたタマは年式のわりにキレイとか走行少ない、などともてはやされるものですが、乗らなさ過ぎてもクルマにとっては不健康なものです。見えないところでサビやカビが進行していたり、数々のマウントブッシュ(その多くはゴム製品)に妙なクセがついていたり、エンジンだってまわしていなければカムに段差が付いたり、有名な話でターボ車のウェイストゲートバルブが固着しちゃうなんてケースだってあるのです。

 で、置かれていた時間に加えて、環境も想像する。湿気があるエリアなのか、冬は道路に融雪剤(ようは塩分です)を撒くのか撒かないのか、クルマ屋さんに「仕入れたとき、シートの下からキノコ生えてませんでしたか?」などなど根掘り葉掘りインタビューすべきでしょう。こうした質問に対した答えを用意していないセールスマンだったとしたら、ボーナスチャンス! 値切るチャンスと考え、目を皿のようにして経年劣化を探し出しましょう。きっと、些細なポイントだったとしても、アナタの鬼気迫る名探偵ぶりに恐れをなし、ギリギリプライスを提案してくれること請け合いです。


石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

文筆業

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三菱パジェロミニ/ビューエルXB12R/KTM 690SMC
趣味
DJ(DJ Bassy名義で活動中)/バイク(コースデビューしてコケまくり)
好きな有名人
マルチェロ・マストロヤンニ/ジャコ・パストリアス/岩城滉一

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