洗車でピカピカ……で満足してはダメ! 直後の「ちょい走り」&「追い拭き」が必須だった (2/2ページ)

とにかく水を飛ばして拭き上げる!

 洗車のプロに任すと、水気のふき取り行程でドアミラーまわり、ドアアウターハンドルまわり、ライト類の隙間などの、水気が侵入しやすい場所をエアーで吹き飛ばしてくれるのだが、一般ユーザーはそうもいかない(洗車に使える高圧エアー機器は高価)。

 筆者は洗車後、すべてのドアを開け、その内側の水気までしっかりと拭きあげ(これだけでも効果あり)、せめての策として、硬いペーパータオルを隙間に挟み込み、細部に入り込んだ水気を吸い出す方法をとっているのだが、”ペーパータオル隙間挟み込み作戦”は面倒と言えば面倒。クルマを止めたまま、ボディを揺するといい……なんという話もあるにはあるのだが、決定策とは言い難い。

 とくに、洗車場での高圧洗車だと、ボディの細部にまで水気が入り、それはそれで細部の汚れまで吹き飛ばす効果があっていいのだが、細部の水気の侵入→その後の水気の染み出し……という点では低水圧のホース洗車より厄介なのである。

 そこでもし、洗車後すぐに出かける用がない場合でも、ブレーキを何度か軽く踏みつつ(後ろに注意しながら)、近所を1周するといい。すると、走行振動、ブレーキングによる振動、走行風で、ボディ細部に入り込んだ水気を落とすことができる。お風呂に入ったあと、脱衣場に出る前に、足についた水気を、足を蹴るような動作で振り落とすイメージだ。

 また、洗車後すぐにクルマで出かける場合も効果は同じ。ただし、洗車後、ボディ細部に入り込んだ水気は、ボディ各所に垂れたままということになる。それを放置すれば元も子もない。近所1周後、あるいはお出かけの途中で、用意したクロスで丁寧に拭きあげる作業が不可欠。それで初めて、洗車後の水気のふき取りが完了するわけだ。もしクロスの用意がなければ、ティッシュペーパーでも代用できる。

 ちなみに今日、自宅に止めておいたクルマに、前日の雨×花粉だか黄砂だかの汚れがべっとり付着していたので、さっそく近所の洗車場で高圧洗車。洗車場で水気をしっかりと拭きあげたはずなのだが、やはり、走って家に帰ってきてみると、あちこちから水滴が染み出していた。放置すればそこに花粉や黄砂汚れが付きやすくなり、ボディ、塗装により一層のダメージを与えてしまう。洗車後の水気のふき取りは、洗車直後とそのあとのダブル拭きあげ行程が、完璧な洗車のセオリーということになる。

 自宅で洗車したあと、すぐに走らないのであれば、くどいようだが、ボディ細部に入り込んだ水気を出すために、近所を1周、あるいはコンビニの買い物でもいいから少し走らせ、水気を”抜く”ことが重要。洗車後、クルマを動かさないと、ボディから完全に水気が抜けるのに、晴れた日でも2〜3日かかるということも覚えておいてほしい。言い方を変えれば、3日に1度、洗車をして、まったく走らないとすると、クルマは1年中、錆や汚れを誘発する水漬けということだ。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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