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たった3カ月で納車できるセレナ! 納期1年以上なのにノア&ヴォクシーが「お客を取られる不安なし」な理由 (1/2ページ)

たった3カ月で納車できるセレナ! 納期1年以上なのにノア&ヴォクシーが「お客を取られる不安なし」な理由

この記事をまとめると

■新型となった日産セレナe-POWERの納期は約3カ月となっている

■納期遅延が続くノア&ヴォクシーにとっては大打撃となるかと思いきやそれほど影響を受けていない

■セレナの短納期はむしろホンダ・ステップワゴンのほうが影響を受けている

新型日産セレナの登場で影響を受けたのはステップワゴンだ

 本稿執筆時点での情報を確認すると、2023年4月に発売となったばかりの日産セレナe-POWERの納期が3カ月ほどとなっている様子。発売前に日産が累計2万台を受注しているとリリースを出しているので、さぞや納期も混乱しているかと思ったのだが、意外な状況に筆者も驚いている。ただ、発売になったばかりなので、生産体制や受注状況次第では、納期遅延となっている可能性もあるのでご了承願いたい。

 セレナは、車名(通称名)別販売台数においては、ライバルとなるトヨタ・ノア、トヨタ・ヴォクシー、ホンダ・ステップワゴンといったライバルを押さえ、カテゴリーで販売トップとなることもあった(2019暦年締め年間販売台数など)。ただ、ノア&ヴォクシーを合算したメーカー別でのこのカテゴリーの販売台数では、ノア&ヴォクシーが圧倒的台数でトップとなっている。

 そんなノア&ヴォクシーだが、現行型モデルに関しては、現在のところ長期の納期遅延に悩まされている。パノラミックビューモニターをオプション装着したHEV(ハイブリッド車)がもっとも長めで、本稿執筆時点では2024年中に納車が間に合うかどうかといった状態にある。ちなみにステップワゴンもメーカーが公表している工場出荷時期の目途ではHEVが半年以上、ガソリン車が1年以上となっている。

 こうなると、長期化するノア&ヴォクシーの納車待ちを嫌い、セレナにお客が流れていきそうにも見えるのだが、結果的により影響を受けているのはステップワゴンのようである。この4車が先代モデルのころから、販売現場で話を聞くと、ノア&ヴォクシーがセレナやステップワゴンと商談で競り合うことは少なく、セレナとステップワゴンが競り合いやすいともいわれ、現行型でもその傾向が続いているようなのである。

 トヨタは2020年5月よりトヨタ系正規ディーラーすべてで、すべてのトヨタ車が購入可能となっている。そのため、ひとつのトヨタ系正規ディーラー店舗でノアとヴォクシーの購入検討が可能なのである。また、仮にノアではなくヴォクシーを本命車として決めていても、同じ地域内には資本の異なるトヨタ店やトヨペット店、カローラ店、ネッツ店など複数のディーラーが存在する地域がまだ多く、ヴォクシー同士で値引きなどを競り合わせることが可能なのである。

 そのため、ノアもしくはヴォクシーが本命車であると、わざわざ他メーカーのセレナやステップワゴンと条件を競り合わせなくとも好条件が引き出しやすいのである。しかもこのカテゴリーのミニバンは再販価値も十分期待できるのだが、とくにノアやヴォクシーはその期待値が高まっており、1年以上納車を待つとしても、ノアもしくはヴォクシーの受注の勢いは目立って弱まることはないのである。

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