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「速さじゃなく楽しさ」をわかっている。ドリキンが語るパワーは低いがMTのポルシェ911「カレラT」が最強に面白い理由【土屋圭市 峠賛歌】 (1/2ページ)

「速さじゃなく楽しさ」をわかっている。ドリキンが語るパワーは低いがMTのポルシェ911「カレラT」が最強に面白い理由【土屋圭市 峠賛歌】

MTもスポーツサスも装備で楽しい走りを求めた911

 今回乗るのは1台だけなんだけど、ワクワクするクルマだ。なんたって、MTのポルシェ911だからね。

 この911カレラT、わかりやすくいえば素のカレラのMT仕様ということになるのかな。日本に導入されるカレラはPDK仕様だけだから、一番シンプルな911と言い換えてもよさそうだ。車両重量はカレラに比べて10kg軽い。

 ただし、装備内容はそこそこ変更されている。まず、スポーツサスが標準装備で、車高を10mmダウン。ホイールは前後とも1インチずつアップで、20/21インチとなっている。しかも、後輪操舵や、トルクベクタリングも標準装備。さらに、スポーツプラスモードや、タイヤ温度表示も使用できるスポーツクロノパッケージ、軽量な遮音ガラスも付く。

 Tはツーリングの頭文字で、純粋に走りを楽しむとくにスポーティなモデル、っていうのがポルシェの説明だけど、遡れば初代の、レースベースにも使うもっともシンプルなモデルに与えられた名前。走りに関わるアイテムを充実させたカレラ、っていうほうが、より正確なのかな。

 エンジンは394馬力/450Nmの2981ccフラット6、つまり911シリーズでもっともベーシックな3リッターターボだ。いまやNAで500馬力とか、700馬力のターボなんてスーパーカーみたいなモデルもあるけど、普段使いや峠走りをして、ときどきサーキットに行くくらいなら、これで十分カバーできるんじゃないのかな。

 0-100km/h加速は、さすがにDCTのカレラより遅くて、0.6秒落ちの4.5秒だけど、なんの不満もない加速性能だね。最高速度は295km/hで、逆にカレラより1km/hアップだ。

 価格は1865万円で発売されたけど、現在は2006万円に改定されているらしい。カレラ比では153万円高い。ただし、これはあくまでも本体のみ。試乗車は発売時の価格に、約420万円ものオプションがプラスされてる。それだけで、GR86買ってお釣りがきちゃうよ。なかには5.6万円のボディ同色キーとか、オレなら選ばないようなアイテムも含まれている金額だけどね。

 しかし、MTを出してくるのはさすがポルシェ、速さじゃなくて楽しさを求めるクルマ好きがいるってことをわかってるんだよな。

 それも、911で一番パワーが低い400馬力弱のカレラに用意するってのがニクいね。一般的なドライバーが楽しむには、これくらいがちょうどいいんじゃないかな。

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