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アリアNISMO・モデル3・アイオニック5N・BYDシール。日米韓中・最新スポーツBEVガチンコ比較 (2/2ページ)

アリアNISMO・モデル3・アイオニック5N・BYDシール。日米韓中・最新スポーツBEVガチンコ比較

高性能を謳う4台を乗り比べ

 普及に向けて多くの自動車メーカーが本格的に取り組むものの、踊り場にきたと言われるBEV(電気自動車)。まだそれほど需要がないのに供給過多になっている感は否めないが、選ぶ側の目線から見れば、車種がバラエティに富んでいて興味深い時期でもある。

 そこで今回はドライビングが楽しめることを主眼に4台のBEVを連れ出した。そもそもBEVは環境対応車ではあるものの、低回転から大トルクを発生する電気モーターによる強力な加速、良好な重量配分による優れたシャシー性能などによって走りのポテンシャルは想像以上に高い。

 とくにシャシー性能はバッテリー搭載位置が低く中央に寄っているため、低重心かつヨー慣性モーメントが低い(=旋回能力が高い)から、少なめのロールでグイグイと曲がっていくのだ。エンジン車ならよくできたミッドシップのモデルではないと敵わない。さらにエンジンマウントで重量物が揺動することもないので正確性が高く、振動が少ないから乗り心地も快適。走りが楽しくないはずがないのだ。

究極のパフォーマンスよりも安心感と一体感を重視

 アリアは日本のBEVのなかではパフォーマンスや乗り味がもっとも優れていると言っていいだろう。それをベースにあのNISMOが手を入れているのだから期待せずにはいられない。

 ただし、アリアNISMOは究極のパフォーマンスアップを狙ったものではなく、デイリーユースを大切にしながら、安心して気持ち良く走れることを主眼としたモデルだ。ベースのB9 e-4ORCEに対して電気モーターは290kWから320kWへパワーアップ。最大トルクは600N・mもあって419kW/637N・mのGT-Rに近い実力だ。それでいて車両重量は2220kgに及ぶから、スポーティに走らせようとするなら安心感の高いシャーシが必要になる。

 早速アクセルを踏み込んでみると発進時から電気モーター特有の図太いトルクを感じさせながらも、ドンッと出過ぎることがなく、あくまでスムースかつ伸びやかに特性を造り込んでいることがわかる。人間の感性に合ったチューニングがされているのだ。ドライビングモードをスポーティなNISMOモードにするとアクセルのオン・オフに対してのレスポンスが高まり、コーナーを連続で駆け抜けていくときにメリハリが利いてリズミカルに走れる。

 ブレーキは高性能パッドを採用。ハードブレーキ時にはBEVにありがちなストローク変化が見られたが、踏み始めからバイト感が高く制動力も十分で、安心感が向上している。

 サスペンションは引き締まっているのだが、嫌な硬さがまったくなく、少ないロールのなかにしなやかさがあって、コーナリング初期にタイヤをじっくりと路面に押しつけていく感覚がある。これからクルマがどう動いていくかという予測がしやすい特性だ。e-4ORCEは後輪への駆動配分が増やされ、コーナーでの前輪の負担が減るのでアンダーステアを感じる場面がほとんどない。その分、ドライバーのステアリング操作に忠実だから、自由自在にワインディングロードを駆け巡ることができるのだ。

“馬鹿げた”加速性能と硬質で正確なハンドリング

 セダン離れが叫ばれている日本でも、モデル3の人気に衰えはなく、販売台数はSUVのモデルYと拮抗しているという。セダンでもいいクルマなら売れるのだ。

 テスラ人気はガジェット的な魅力によるものであることはもちろんだが、じつは走りの性能も相当なもので、クローズドコースの限界テストなどでは舌を巻くほどの実力を見せつける。初期のモデル3はその高いダイナミクス性能と引き換えに乗り心地は硬めだったのだが、今回試乗したモデル3パフォーマンスはアダプティブダンピングシステムを装備しているので無用な硬さを感じさせなくなった。そのグレード名に相応しく前後の電気モーターは強力で、最高出力338kW、最大トルク723N・mを誇る。0-100km/h加速は3.1秒と驚速。ブレーキも強化されてスポーツドライビング派にも不足は感じさせない。

 電気モーターはゼロ回転から最大トルクを発生できるので、そのままの特性を反映させると、出足がとんでもなく鋭くなり、かえって扱いにくい場面もある。また、低・中速域では強力なものの高速になると頭打ち感が出がち。そこで各メーカーは扱いやすく伸びやかなトルク特性を造り込んでいたりするのだ。

 モデル3も普通に走らせていると自然で扱いやすいが、インセイン(直訳すると馬鹿げた、常軌を逸したという意味)というモードにして発進時にアクセルを深く踏み込むと電気モーター感を丸出しにして凶暴な加速を見せる。身構えていないと首を痛めそうなほどドカンッと蹴り出される。こういった加速は好きになれない人もいるかもしれないが、高性能BEVだからこそできることで、モデル3パフォーマンスのひとつの個性と
して捉えることができる。

 ハンドリングは相変わらず素晴らしい。ステアリング操作に対しての正確性が高く、限界もどこにあるのかわからないほど高い。しかもすべての動きがカチッとしていてスポーツカー・ファンに好まれるであろうフィーリングなのだ。

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