【旧車のトラブル】バッテリー上がりの意外な原因とは? (2/2ページ)

配線の劣化により充電が不十分になっていた

 そこでR32GT-Rの主治医である日産プリンス東京販売 モータースポーツ室にて詳しく調べてもらったところ、原因はなんとハーネス! つまり配線の劣化にあったのだ。

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 オルタネーターで作られた電気がバッテリーまでちゃんと送られていなかったというワケ。具体的にはオルタネーター~ヒューズボックス、バッテリー~スターターの配線が経年劣化により硬化しており、かなりの抵抗が発生していたようだ。

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 しかし、20年以上経つ旧車の域に達したR32は、純正部品の製造廃止という壁に悩まされている。配線にしても同様で、新品に交換することは出来ず、配線を修理することで対応。

 結果、修理前はオルタネーターで13.8Vの出力時に、オルタネーターの端子では13V、バッテリー端子で12.2Vだったところ、修理後にはバッテリー端子で12.6Vまで上昇した。

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 数値としてはわずかに見えるが、それまでは1週間乗らないとエンジンの掛かりが悪かったのが、今では10日経っても絶好調。端子も新しく交換すればもっと数値はよくなるのだろうが、部品の製造廃止のため古いものを使い回しているため致し方ない。

 古くなったクルマは配線の劣化が思わぬトラブルを招く。たまにはエンジンルームの中を覗いて、チェックしてみたほうがいいだろう。板金を経験したことのあるクルマはボディアースの部分もチェック。塗料によってアースが埋まってしまい、しっかり機能していないこともある。

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 クルマにとって一番は、毎日少しでもエンジンを掛ける、走ること。それが無理な場合は、定期的に劣化しそうな部分の点検を心掛けてほしい。そうすれば大切な愛車はかなり長生きしてくれるはずなのだ。


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